入学おめでとう!黒板アート 福岡の県立高、先輩が半月かけ制作
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福岡県立八幡中央高(北九州市八幡西区)で7日、入学式があった。普通科芸術コース美術部の2、3年生有志約20人が約2週間かけて1年生全5クラスの教室に描いた黒板アートをサプライズ披露して新入生を歓迎した。
全教室での黒板アートの披露は3回目。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大で入学式が中止されたため、2年ぶりの実施となった。
1年5組の教室。入学式2日前の5日に記者が訪ねると、おそろいのつなぎを着た2、3年生4人が黙々と黒板に向かい、チョークの音を響かせていた。17色のチョークを使い、カッターナイフで削って広い面で塗ったり、水を含ませて色を濃くしたり、筆でぼかしたり。美術部3年の坂本岬さん(17)は「色を重ねようとすると、先に描いた色がはがれてしまう」と難しさを語った。
描いたのは、海中の駅に停車する列車と海の生き物たち。高校入学という節目を駅にたとえ、未知なる海に「いろんな人に出会い、自分の得意なことを見つけてほしい」という思いを込めた。
7日、入学式を終え緊張の面持ちで教室に入った新入生たちは「すごい」「カラフルできれい」と黒板に見入り、保護者らのスマートフォンで記念撮影をして喜んだ。
その後、作品は黒板消しであっという間に消され、黒板は授業で使う元の姿に。坂本さんは「もったいないけれど『残せない芸術』だからこそ面白い。作品をみた1年生が、来年は次の新入生のために描いてくれたら」と話した。【成松秋穂】