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東京電力福島第1原発事故の後、今もタンクにたまり続けている汚染処理水。その処分を巡り、菅義偉首相は7日、海洋放出を念頭に「近日中に判断したい」との意向を表明した。事態が大詰めとなる中、東北の漁業関係者らは憤り、落胆の思いをにじませている。
原発から約6・5キロ北にある請戸(うけど)漁港(福島県浪江町)は東日本大震災の大津波で壊滅した。その後、荷さばき施設も復旧し、2020年4月には9年ぶりに競りが再開された。最近は「常磐(じょうばん)もの」として評価が高いヒラメなどは値が戻りつつあった。そんな需要動向に、海洋放出は影響を及ぼしかねない。相馬双葉漁協請戸地区代表で漁師の高野一郎さん(73)は「多かれ少なかれ風評被害が出る。我々と意見を交わさないまま結論は出さないでほしい」と憤る。
原発から南に約55キロ離れたいわき市の小名浜港。観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」鮮魚市場の「一吉商店」で働く中垣繁さん(66)も風評被害を心配する。「原発事故から10年かけ、やっと魚種も増えてきたところなのに」。今も「放射能は大丈夫か」と聞く客もいて、中垣さんはそのつど魚の安全性を説明してきたという。海洋放出で、積み上げてきたものが台無しになるのではないか。そんな心配がよぎる。
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