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京都の大学で学んでも、卒業後は引っ越すなどして、京都との縁が薄れてしまう学生は多い。そんな現状を変えようと、学生たち自身が同じ学生に向けて、京都の魅力を発信するプロジェクトに取り組んだ。京都の魅力を再確認し、いつか京都に帰ってきてほしい――。学生の街・京都ならではの、学生たちの思いだ。【福富智】
「学生とつくるまちの未来プロジェクト」。学生生活全般をサポートする「学生情報センター(ナジック)」(京都市下京区)が2020年6月、市と学生支援に関する協定を締結したことをきっかけに、ナジックが属する東急不動産ホールディングス(東京)などと始めた取り組みだ。
プロジェクトには公募で選ばれた、市内の大学に通う1~4年生計14人が参加。新型コロナウイルスの感染拡大の影響でオンラインも活用し、ワークショップを20年11月~21年1月に計4回開催した。コロナ禍でアルバイトができない学生の支援につながればと、ワークショップへの参加は有給とした。
キャッチフレーズは学生たちが案を出し合った結果、「古いだけと思わんといて」を採用。京都の隠れた魅力を伝えるため、観光地ではないが、学生たちが「紹介したい」と感じた場所などの写真と文章が入った、ブックカバーとコースターを作製することにした。紹介する場所などは学生がそれぞれ一つ選んで自ら取材し、写真も撮影。カフェやライブハウス、京都マラソンなど多岐にわたる。
3月25日にはナジックでお披露目会が開かれ、オンライン参加を含めて、それぞれが成果を発表。和歌山県出身で京都大4年の吉岡舞香さん(21)は「進学で京都に初めて来てから愛着を持っている。今回の活動で、今まで知らなかったことを知ることができた」。広島市出身で立命館大4年の津川燦太(さんた)さん(21)は「京都の魅力を学生の視点で伝えることに共感し、参加を決めた」と語った。
ブックカバーとコースターは、プロジェクトに参加した学生の人数と同じ全14種類。キャンパスプラザ京都(京都市下京区)や京都国際マンガミュージアム(同市中京区)のほか、立命館大や同志社大などでも配布する。