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「傷だらけの天使」がいた時代/下 アニキと求めた、生の実感 水谷豊さん

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インタビューで出演中のドラマ「相棒」について話す俳優の水谷豊さん=東京都練馬区で2020年9月11日、宮間俊樹撮影
インタビューで出演中のドラマ「相棒」について話す俳優の水谷豊さん=東京都練馬区で2020年9月11日、宮間俊樹撮影

一生懸命シラケていた

 1974年秋から75年春に放送された「傷だらけの天使」で、ショーケンこと萩原健一さん(50~2019年)の子分役、アキラを演じた水谷豊さん(68)に当時の思い出を電話で聞くと、うれしそうに語り出した。

 「『太陽にほえろ!』で僕が犯人役、萩原さんが刑事役で一度共演して以来でした。『傷だらけ』が始まって間もなく、萩原さんの自宅に招かれ『泊まってけよ』と言われて、その晩、『一緒に風呂入ろう』って言って、2人でお風呂に入ったんですよ。『背中を流し合おう』って。そういうところから始まってるんです。芝居をやる以前に関係を作ってくれたんです。それがすごく印象深いし、随分一気に人間関係が近づいた気持ちにしてもらえましたね」

 あれほど登場人物が自然に振るまうドラマはまずなく、今見返しても、演技や人のあり方、ユーモアが全く古びていない。インタビュー集「ショーケン 別れのあとに天使の言葉を」(立東舎)を編集した平嶋洋一さんはドラマの主人公たちをこう評している。「職業も2人の関係も行き場のないかりそめ感があり、泣きたいけどギリギリでカッコつけている。アキラ(水谷さん)がオサム(ショーケン)を乳母車に乗せている場面とか、めちゃくちゃなんだけど、面白い絵なんです。最後にアキラの遺体を洗うところも、すごくセンチメンタルで繊細で過剰に優しい。人間味がものすごくあるキャラクターなんです」

 ドラマの役作りについて水谷さんはこう話した。「74年当時は映画界が斜陽になって、演劇界では新劇が力を持ってきて、小劇場を舞台に小さな劇団を立ち上げる人もたくさんいて、テレビはテレビでいろいろ新しい物がありました。そんな中、それら全てを変えてしまうぐらい…

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