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詩歌の森へ

文芸ジャーナリスト・酒井佐忠さんの「詩」に関するコラム。

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地方の生活に目を向け=酒井佐忠

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宮坂静生さん=角川文化振興財団提供
宮坂静生さん=角川文化振興財団提供

 今年の詩歌文学館賞の俳句部門は宮坂静生の句集『草魂(くさだま)』(角川書店)だった。この賞は日本現代詩歌文学館の創設を記念し、初代の名誉館長、井上靖の創意で生まれた。詩・短歌・俳句の3部門の優秀作品を選定し、現代詩歌文学の振興を目指したもの。第1回の清水哲男、近藤芳美、平畑静塔ら受賞者はそうそうたる名が連なる。同文学館は昨年、開館30周年となったが、岩手県北上市に詩歌文芸の殿堂をつくる発想は、時代を先取りしたものだと思う。

 宮坂は長野県在住だが、地方に独特の季節や祭事の言葉を「地貌(ちぼう)季語」と名づけ、地方都市の生活に目を向けている。「ことばには貌(かお)がある。そのことばが使われている土地の貌がことばに映し出されている。私はそれを『地貌』のことばと呼び、季節に馴染(なじ)んだことばを『地貌季語』と称している」。俳句文芸誌「俳句界」4月号特集の「地方の魅力・地貌季語を探る!」で宮坂は書いている。句集『草魂』では…

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