連載

地震学の現在地

地震学の進展や現場でのひずみから見える「科学をどう政策に生かすか」という問題を考えます。

連載一覧

地震学の現在地

/1 南海トラフ予測に専門家憤り

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
記者会見で南海トラフの長期評価を公表する地震調査委員会の本蔵義守委員長(当時、中央)=東京都内で2013年5月24日、渡辺諒撮影
記者会見で南海トラフの長期評価を公表する地震調査委員会の本蔵義守委員長(当時、中央)=東京都内で2013年5月24日、渡辺諒撮影

 <科学の森>

 地震の専門家にとっても「想定外」だった東日本大震災から10年がたった。「地震学の今」から見えてきたのは、新型コロナウイルスへの対応と同様に、科学をどう政策に生かすかという問題だ。公文書や関係者の証言を基に、地震学の進展や現場でのひずみを描く。

 「今のコロナと同じ構図だった」。一部の地震学者たちがそう振り返る出来事が、8年前の2013年5月24日にあった。

 国の地震調査研究推進本部・地震調査委員会がこの日、南海トラフでマグニチュード(M)8~9クラスの地震が30年以内に「60~70%」で起きるという「長期評価」を公表した。「切迫性はかなり高い。今後の地震、津波対策を着実に推進し、防災、減災に努めてほしい」。記者会見に臨んだ本蔵(ほんくら)義守委員長(当時)=東京工業大名誉教授=は、そう強調した。

この記事は有料記事です。

残り2117文字(全文2476文字)

あわせて読みたい

注目の特集