東日本大震災

福島第1原発事故 漁業関係者、憤り・落胆 処理水海洋放出へ 「風評被害出る」

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汚染処理水をためるタンクやさまざまな施設が造られた東京電力福島第1原発=福島県大熊町で2021年2月13日午前11時12分、本社ヘリから手塚耕一郎撮影
汚染処理水をためるタンクやさまざまな施設が造られた東京電力福島第1原発=福島県大熊町で2021年2月13日午前11時12分、本社ヘリから手塚耕一郎撮影

 東京電力福島第1原発事故の後、今もタンクにたまり続けている汚染処理水。その処分を巡り、菅義偉首相は7日、海洋放出を念頭に「近日中に判断したい」との意向を表明した。事態が大詰めとなる中、東北の漁業関係者らは憤り、落胆の思いをにじませている。

 原発から約6・5キロ北にある請戸(うけど)漁港(福島県浪江町)は東日本大震災の大津波で壊滅した。その後、荷さばき施設も復旧し、2020年4月には9年ぶりに競りが再開された。最近は「常磐(じょうばん)もの」として評価が高いヒラメなどは値が戻りつつあった。そんな需要動向に、海洋放出は影響を及ぼしかねない。相馬双葉漁協請戸地区代表で漁師の高野一郎さん(73)は「多かれ少なかれ風評被害が出る。我々と意見を交わさないまま結論は出さないでほしい」と憤る。

 原発から南に約55キロ離れたいわき市の小名浜港。観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」鮮魚市場の「一吉商店」で働く中垣繁さん(66)も風評被害を心配する。「原発事故から10年かけ、やっと魚種も増えてきたところなのに」。今も「放射能は大丈夫か」と聞く客もいて、中垣さんはそのつど魚の安全性を説明してきたという。海洋放出で、積み上げてきたものが台無しになるのではないか。そんな心配がよぎる。

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