名古屋市長選 「村・村コンビ」 蜜月から代理戦争へ

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名古屋城内で開かれたセレモニーで聖火ランナーのノーベル賞学者、天野浩さん(左)を出迎える河村たかし名古屋市長(右)と大村秀章愛知県知事(中央)。2人は終始距離を置き、目も合わせなかった=名古屋市中区で2021年4月5日午後8時33分、佐久間一輝撮影 拡大
名古屋城内で開かれたセレモニーで聖火ランナーのノーベル賞学者、天野浩さん(左)を出迎える河村たかし名古屋市長(右)と大村秀章愛知県知事(中央)。2人は終始距離を置き、目も合わせなかった=名古屋市中区で2021年4月5日午後8時33分、佐久間一輝撮影

 名古屋市長選(11日告示、25日投開票)を前に、かつて「村・村コンビ」の蜜月ぶりだった河村たかし市長(72)と大村秀章・愛知県知事(61)の対立が過熱している。大村知事は立候補を予定する元市議長の横井利明氏(59)の出馬表明前から支援を明言、4期目を目指す河村氏追放の動きを強めており、代理戦争の様相だ。

 東京オリンピックの聖火ランナーが同市中心街を走り抜けた5日夜、名古屋城内のセレモニーで壇上に並んだ大村、河村の両氏は互いに距離を置いたまま、目は一度も合わさない。たびたび見かける光景だ。

 「コンビ」誕生は2011年。河村氏は衆院議員を辞め知事選に臨む大村氏と共通公約を掲げて県市連携を強調、出直し市長選と市議会解散の賛否を問う住民投票とともにトリプル選挙を「完勝」し、肩を抱き合って喜びを共にした。

 その時掲げたのが県と市の二重行政を解消する「中京都」構想。だが、次第に意見の相違が鮮明となり、構想は頓挫した。両氏はカジノを含む統合型リゾート(IR)誘致や名古屋城天守閣の木造復元事業など大型プロジェクトでも対立。19年に開かれた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展を巡る対応で「村・村戦争」が激化し、河村氏は知事解職請求(リコール)活動の「応援団」を名乗り前面に出た。新型コロナウイルス感染拡大で繁華街の営業自粛要請や病床確保などの対策を巡っても批判の応酬を続ける。

 「全力で応援したい」。横井氏の出馬表明前日の3月15日、大村氏は定例記者会見で支援の立場を鮮明にした。13年の市長選で大村氏は河村氏を応援したが、17年は「応援しない。できないと言った方がいい」と不支持を表明。そして今回、「市は1人を除いて私の方針に従っている」「重責にふさわしくない方」などと河村氏を厳しい言葉で攻撃する。録音した自らの声を流す宣伝カーを走らせ、横井氏応援を呼びかける運動も既に展開している。

 これに対し河村氏は、大村氏の市長選「参戦」自体には周囲にも不満などを口にすることはないが、大村氏の言動には「全部オレの言う通りとか、話がわからない。県と市はうまくやっている」と防戦に努める。

 横井氏は「コロナ対策やリニア中央新幹線に伴う名古屋駅前再開発など、知事に直接相談に行っている」と、大村氏との関係の深さを討論会などでアピール。「河村市長ができなかった国や県、近隣市町村との協力でコロナに立ち向かう」などと攻勢を強める。【岡正勝、佐久間一輝、太田敦子】

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