「証券市場の信頼回復、安定運用が使命」 東証・山道新社長

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
インタビューに答える東京証券取引所の山道裕己社長=東京都中央区で2021年4月5日午後2時43分、加藤美穂子撮影 拡大
インタビューに答える東京証券取引所の山道裕己社長=東京都中央区で2021年4月5日午後2時43分、加藤美穂子撮影

 東京証券取引所の社長に1日付で就任した前大阪取引所社長の山道裕己氏(66)が、毎日新聞などのインタビューに応じた。2020年10月のシステム障害による終日売買停止で揺らいだ信頼回復に努めるとともに、22年4月に予定する市場再編を上場企業の魅力向上につなげ、海外投資家を引き込む考えを示した。

 ――昨秋のシステム障害からの信頼回復にどのように取り組みますか。

 ◆市場の信頼回復、安定的運営は私の使命だ。システム改修を進めており、その後、実効性を確保するための訓練を行う。

 大阪取引所社長を務めた7年余で取引システムは数回停止した。学んだのは、システムのバグ(不具合)をゼロにすることは不可能で、止まった時にいかに復旧するかということだ。訓練を通じて(問題点を)洗い出していく。終日停止を風化させない取り組みや訓練、ルール改定が重要だ。

 ――22年4月の市場再編で東証1部はプライム市場と改称され、上場基準が厳しくなりますが、1部上場企業は経過措置として一定条件を満たせば当分の間、最上位市場のプライムに残ることができます。優良銘柄に絞る狙いが骨抜きになりませんか。

 ◆上場企業が海外から見ても魅力があるように、プライムへの上場では(上場企業の行動指針を定めた)コーポレートガバナンス・コード(企業統治原則)によって、独立社外取締役の充実や気候変動によるリスクの開示でより高い水準を求めていく。経過措置の対象企業にはどう基準をクリアするか改善策を求め、チェックする。経過措置を「当分の間」としているのは、どの程度の数の企業がプライム上場を希望するのかや、企業の改善策の達成可能性を検証する必要があるからだ。中途半端に終わらないようにしっかりやる。

 ――2月にはカナダ・トロント証券取引所に仮想通貨(暗号資産)、ビットコインの上場投資信託(ETF)が上場しました。

 ◆シンガポールやドイツなど世界の取引所で上場や検討の動きがあり、商品としてはある程度のステータスを得ている。ただ日本では、取引所で扱うほど一般的な存在として確立していないのではないか。状況は興味を持って追いかけており、機運が高まれば動く。(仮想通貨の)技術については(親会社の)日本取引所グループが検証を続けていく。【聞き手・加藤美穂子、釣田祐喜】

あわせて読みたい

注目の特集