バイデン政権、パレスチナ支援を再開 平和構築など258億円

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日本を含む世界各国の人権状況に関する米国務省の年次報告書を発表するブリンケン国務長官=同省サイトより 拡大
日本を含む世界各国の人権状況に関する米国務省の年次報告書を発表するブリンケン国務長官=同省サイトより

 ブリンケン米国務長官は7日の声明で、トランプ前政権が全面的に停止した国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への拠出などパレスチナ支援を再開する方針を表明した。総額は計2億3500万ドル(約258億円)で、極端な親イスラエルの立場をとったトランプ前政権の中東政策からの転換を改めて明確にした。

 声明によると、UNRWAへの拠出は約1億5000万ドル、ヨルダン川西岸とガザ地区から成るパレスチナ自治区の経済開発に7500万ドル、米国際開発庁(USAID)を通じた平和構築プログラムに1000万ドルを提供する。

 ブリンケン氏は「米国はイスラエルとパレスチナ双方の繁栄、安全保障、自由の促進に具体的な形でコミットする」と表明。この方針は、パレスチナ国家樹立を前提とする「2国家共存」を「前進させる手段として重要だ」と強調した。

 UNRWAはパレスチナ自治区の他、ヨルダン、レバノン、シリアに逃れたパレスチナ難民ら約570万人の教育、医療、食料支援などを実施している。

 トランプ前政権は2018年8月、米国の負担が他国より重く、対象の難民が増え続けており「支援は持続不可能」として拠出中止を発表。当時、トランプ前政権はイスラエル優位での中東和平実現を目指しており、交渉に向けてパレスチナ側に圧力をかける狙いがあったとみられている。米国はUNRWA設立以来の最大の拠出国だったため、パレスチナ難民の人道危機の深刻化が指摘されていた。【ワシントン鈴木一生】

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