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バイデン政権2021

第46代米大統領となったバイデン氏。分断された国内や不安定化する国際情勢にどう対応するのでしょうか。

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米財務省が法人増税案を公表 大企業への課税強化が柱

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米国国旗の星条旗=2018年1月、高本耕太撮影 拡大
米国国旗の星条旗=2018年1月、高本耕太撮影

 米財務省は7日、バイデン大統領が提案した総額2兆ドル(約220兆円)規模の環境・インフラ投資計画の財源に充てる法人増税案を公表した。法人税率の引き上げや多国籍企業と大企業への課税強化が柱で、15年間で計2・5兆ドル(約275兆円)の歳入増を見込んでいる。

 イエレン財務長官は7日、記者団に「米国の税収は最低水準にあり、このままではインフラや研究開発に投資する資金が減ってしまう。税金引き下げという自滅的な競争ではなく、インフラや人材への投資で競争すべきだ」と増税案の意義を強調した。トランプ前政権の大型減税で、米国の国内総生産(GDP)に占める法人税収の割合は1%となり、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の3%を大幅に下回っている。

 増税案では、トランプ前政権が35%から21%に引き下げた法人税を28%に引き上げる。決算報告で年間20億ドル以上の利益を計上した大企業に対しては、税制優遇などで法人税の課税額がゼロになる場合でも、決算上の利益に対して最低15%を課税する制度を提案。この制度が導入されれば、米企業45社の納税額が平均で年間3億ドル増えるという。

 一方、米国の多国籍企業は、租税回避地(タックスヘイブン)の活用で実効法人税率が8%にとどまっている。増税案では、多国籍企業の海外子会社の収益への課税を現行の2倍の21%に引き上げるなど、利益の海外移転に対する税制上のメリットを縮小する。

 野党・共和党は投資計画の規模や法人増税に反対しており、民主党の一部穏健派も慎重姿勢で、米議会での法案成立には提案の一部修正を迫られる可能性が高い。バイデン氏は7日の演説で「大企業が抜け穴を利用して税を逃れており、納税者に不公平な制度に終止符を打ちたい。最も合理的な方法を提案したが、議論は歓迎する」と修正協議に応じる姿勢を示した。【ワシントン中井正裕】

【バイデン政権2021】

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