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米財務省は7日、バイデン大統領が提案した総額2兆ドル(約220兆円)規模の環境・インフラ投資計画の財源に充てる法人増税案を公表した。法人税率の引き上げや多国籍企業と大企業への課税強化が柱で、15年間で計2・5兆ドル(約275兆円)の歳入増を見込んでいる。
イエレン財務長官は7日、記者団に「米国の税収は最低水準にあり、このままではインフラや研究開発に投資する資金が減ってしまう。税金引き下げという自滅的な競争ではなく、インフラや人材への投資で競争すべきだ」と増税案の意義を強調した。トランプ前政権の大型減税で、米国の国内総生産(GDP)に占める法人税収の割合は1%となり、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の3%を大幅に下回っている。
増税案では、トランプ前政権が35%から21%に引き下げた法人税を28%に引き上げる。決算報告で年間20億ドル以上の利益を計上した大企業に対しては、税制優遇などで法人税の課税額がゼロになる場合でも、決算上の利益に対して最低15%を課税する制度を提案。この制度が導入されれば、米企業45社の納税額が平均で年間3億ドル増えるという。
一方、米国の多国籍企業は、租税回避地(タックスヘイブン)の活用で実効法人税率が8%にとどまっている。増税案では、多国籍企業の海外子会社の収益への課税を現行の2倍の21%に引き上げるなど、利益の海外移転に対する税制上のメリットを縮小する。
野党・共和党は投資計画の規模や法人増税に反対しており、民主党の一部穏健派も慎重姿勢で、米議会での法案成立には提案の一部修正を迫られる可能性が高い。バイデン氏は7日の演説で「大企業が抜け穴を利用して税を逃れており、納税者に不公平な制度に終止符を打ちたい。最も合理的な方法を提案したが、議論は歓迎する」と修正協議に応じる姿勢を示した。【ワシントン中井正裕】
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