フジHD、外資20%超 12年から2年間 認識後も公表せず

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外資規制違反について記者会見し、謝罪するフジ・メディアHDの金光修社長=東京都港区で2021年4月8日午後6時3分、丸山博撮影 拡大
外資規制違反について記者会見し、謝罪するフジ・メディアHDの金光修社長=東京都港区で2021年4月8日午後6時3分、丸山博撮影

 フジテレビを傘下に置く「フジ・メディア・ホールディングス(HD)」は8日、2014年3月までの約2年間、議決権の外資比率が20%を超える放送法違反の状態にあったと発表した。金光修社長は同日開いた記者会見で、「外資規制の基準をわずかにせよ超過し、外資規制違反の状態だったことで投資家、株主をはじめ、多くの方にご迷惑をおかけしたことをおわびします」と陳謝したうえで、ミスに気づいた後の14年12月に総務省に違反の報告をしていたことを明らかにした。

 放送局の外資による支配を規制するため、放送法は外国法人などの株主が保有する外資比率を議決権ベースで20%未満に抑えることを求めている。しかし、フジ・メディアHDは12年4月に制作会社を子会社化した際、その出資先が保有していたフジ・メディアHD株の議決権が消滅したのに気づかず、議決権総数に含めていた。年2回公表している外資比率は20%をギリギリ下回っていると公表していた。14年9月末の株主名簿の確定作業中に誤りに気づき、再計算したところ、0・0004~0・0008ポイント超過する放送法違反の状態だったと判明したが、公表しなかった。

 金光社長は、経営企画担当常務だった14年12月、一連の経緯や再発防止策を報告するため、総務省に2度報告。1度目は「認定がどうなるのか感触を得るためで、書類は持たず1人で相談にいった」などと説明。その後、再び訪問した際には「今後このようなことを二度と起こさないように」と口頭での厳重注意にとどまったという。

 外資規制違反による認定放送持ち株会社の認定取り消しについては「こちら側としては認定の取り消しにはならないと判断した。(『認定取り消し』という)具体的な言葉はなかったと思う」などと述べた。当時の担当者の名前は明らかにしなかった。

 違法状態であることを認識しながら、公表しなかった理由については「認定の取り消しになると判断すれば、適時開示しなければいけないが、そうではない限り開示の必要はないと考えた」と述べた。

 問題を巡っては、武田良太総務相が6日に総務省に徹底調査を指示。全ての認定放送持ち株会社などに対しても外資規制違反がないか確認を求めた。

 総務省幹部は8日夜、14年12月に当時の同省放送政策課長が金光常務(当時)と2回面会し、外資規制違反だった事実を伝えられ、口頭で注意したことを認めた。議決権割合の超過分がわずかだったことや、既に違反状態が是正されていることを踏まえ、過去にさかのぼって認定を取り消すことはないという認識を口頭で伝えたという。この幹部は「認定取り消しは不要という解釈に問題はなく、その考えは今も変わっていない」と話し、フジ・メディアHDの認定は取り消さない考えを示した。【稲垣衆史、松原由佳】

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