小池都知事「変異株が急拡大」緊急事態も念頭 まん延防止適用へ

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まん延防止等重点措置の要請について説明する東京都の小池百合子知事=都庁で2021年4月8日午後2時10分、黒川晋史撮影 拡大
まん延防止等重点措置の要請について説明する東京都の小池百合子知事=都庁で2021年4月8日午後2時10分、黒川晋史撮影

 東京都は8日、新型コロナウイルスの急速な感染拡大が懸念されるとして、都内に「まん延防止等重点措置」を適用するよう政府に要請した。政府は9日午前に基本的対処方針分科会で専門家の意見を聞き、その後の政府対策本部で正式決定する。要請の意向を示している京都府と沖縄県についても、政府は東京と同時に適用する方針だ。期間は4月12日から東京都が5月11日まで、2府県は5月5日までで調整している。

 政府と東京都は、都内の対象地域を23区と多摩地域の6市と想定。小池百合子知事は8日、記者団に「都内では変異株が急速に拡大しており、いつ大阪のような状況になってもおかしくない」と強調した。緊急事態宣言の発令も念頭に「さらなる対策」を検討するよう、政府に求めたことも明らかにした。

 都内の8日の新規感染者は545人と2日連続で500人を超え、増加傾向が続いている。東京都は対象地域にある飲食店などに対し、閉店時間を1時間早めて午後8時までとするよう要請する考えだ。また都民に対しては、隣県との境を越えた移動や変異株が流行している大都市圏との往来の自粛を求める。

 都の要請を受け、菅義偉首相は8日夕、西村康稔経済再生担当相や田村憲久厚生労働相ら、関係閣僚と首相官邸で対応を協議。即時適用の方針を確認した。その後、首相は記者団に「東京都はここ2日間、新規感染者数が500人を超え、病床使用率も増加傾向だ」と述べ、9日に専門家にはかるなどの手続きを進める考えを示した。東京都以外への適用についても「地元自治体と検討して機動的、早急に方向性を出したい」と語った。

 京都府の西脇隆俊知事も8日、まん延防止措置の適用を要請する考えを表明した。9日午前に府の対策本部会議で決定し、政府に要請する。対象地域は人口、感染者数がともに多い京都市。飲食店などへの午後8時までの営業時間短縮要請や、事業規模に合わせた協力金の支払いを検討するとみられる。西脇知事は「感染拡大のペースが速い。隣接する大阪、兵庫は感染者数が過去最多を更新しており、影響は間違いなくある。変異株の存在も大きい」と危機感を示した。

 沖縄県は対象地域に那覇市などを想定。これまで、基幹産業の観光など地元経済に与える影響を懸念し、強制力を伴うまん延防止措置には慎重だった。しかし感染者急増で病床が逼迫(ひっぱく)し、医療体制の維持にも懸念が生じる中、政府とともに大型連休中までの適用が不可避との判断に傾いた。

 一方、西村担当相は8日の記者会見で、まん延防止措置の適用後も感染拡大に歯止めがかからない大阪府と兵庫県について「これで効かなければ緊急事態宣言(の発令)になっていく。午後8時までの時短だけで効かなければ、さらに強い措置を考えなければならない」と警鐘を鳴らした。【李舜、黒川晋史、斎川瞳、矢倉健次】

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