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広がるコロナ「第4波」 まん延防止で間に合うか

 大阪府や兵庫県など関西圏で、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない。感染力が強いとされる変異株が広がっているためだ。

 両府県では今週から、飲食店などへの営業時間短縮要請を柱とする「まん延防止等重点措置」が適用されている。

 だが、1日当たりの新規感染者数はすでに、緊急事態宣言が発令された第3波時のピークを超えている。大阪府では重症病床の使用率が7割を超え、独自の「医療非常事態宣言」が出された。

 政府はまん延防止措置によって、緊急事態宣言の再発令を回避したい考えだ。しかし、今の措置で感染拡大を抑えきれるかは見通せない。

 両府県では2月末の宣言解除後に繁華街の人出が増え、新年度に伴う人の移動も加わって「第4波」につながったとみられている。

 変異株は従来株に比べ死亡率が高いとされる。感染拡大で重症患者も急増している。特性に応じた対策の強化が不可欠だ。

 大阪府におけるまん延防止措置の対象区域は大阪市に限定されている。国と府は拡大を検討すべきだ。変異株を広げないよう、他府県との移動の自粛要請を徹底する必要がある。

 重症者を受け入れる病床の拡充も急務だ。変異株の患者は入院期間が長期化する傾向がある。国や府県は大学や民間の病院と連携を強め、現場の負担を緩和して医療崩壊を避けるべきだ。

 子どもの感染はこれまで比較的少なかったが、変異株では他の年代と大きく変わらないという。教育現場では、休校措置が必要になる場合に備え、オンライン授業などの体制を整えておくことが求められる。

 東京都など首都圏や沖縄県でも感染が広がっている。新規感染者数が2日連続で500人を超えた東京都は、まん延防止措置の適用を国に要請した。迅速な対応が欠かせない。

 日本医師会の中川俊男会長は「これまでで最大の危機だ」と警鐘を鳴らしている。感染状況がさらに深刻化した場合に政府が緊急事態宣言をためらって、対応が後手に回るようなことがあってはならない。

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