連載

日本文化をハザマで考える

日本文学研究家のダミアン・フラナガンさんが、日英の「ハザマ」で日本文化について考えます。

連載一覧

日本文化をハザマで考える

第35回 イギリス人に洞察と、困惑と、驚きをもたらす日本人の観点

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
英国の代表的観光地となっているウェルズ大聖堂=ダミアン・フラナガン撮影
英国の代表的観光地となっているウェルズ大聖堂=ダミアン・フラナガン撮影

 外国語を習う主な理由といえば、全く違った文化を、その文化の中で育った人たちの目を通して体験できることだと考えがちだ。しかし、その言語を通じて自分の国を、新しい見方で見ることができるのも同じく貴重なことだろう。ただし後者では、驚くべき洞察を得られるとともに、困惑させられることも多い。

 イギリスを訪ねる日本人に、私はいつも司馬遼太郎の「愛蘭土紀行」を薦める。そのタイトルと異なり、前半はイギリスについて書かれている。

 司馬(1923~96年)は、「竜馬がゆく」が2400万部、そして「坂の上の雲」が1800万部売れた大人気作家である。実を言うと、私はどちらも読んだことがない。ただ、彼の「街道をゆく」に収められている膨大な量の紀行文に興味をそそられた。「街道をゆく」は日本国内のみならず、海外の旅行先についても描かれている。

この記事は有料記事です。

残り1304文字(全文1666文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る
この記事の筆者
すべて見る

ニュース特集