本文39種類比較「研究の礎に」 『校本 懐風藻』刊行 土佐朋子・佛大教授

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2月に刊行した『校本 懐風藻』を手にする土佐朋子・佛教大教授=京都市北区で2021年3月18日、中本泰代撮影
2月に刊行した『校本 懐風藻』を手にする土佐朋子・佛教大教授=京都市北区で2021年3月18日、中本泰代撮影

 日本最古の漢詩集『懐風藻』。大友皇子や大津皇子ら歴史上の人物が作者に名を連ねるが、現在伝わる写本や版本(=伝本)は表記に細かな違いがあり、編さん時の本文すらはっきり分かっていない。佛教大の土佐朋子教授(日本上代文学)が、これまでに確認できた39種類の本文の異同を一覧にした『校本 懐風藻』(新典社)を刊行した。今後の研究の基礎となる資料で、土佐教授は「豊かな作品世界への足がかりになれば」と期待を込める。

 8世紀半ばに成立した『懐風藻』は、同時代の『万葉集』に比べ研究が著しく遅れているという。土佐教授は「『中国の漢詩文の模倣』などと評価が低かったことも一因かもしれない」と話す。残っている伝本は江戸時代のものばかり。それらの基になったのは平安時代に書写された写本だが、江戸時代初めには長年の書写の繰り返しで字が崩れたり、虫食いや水害に遭ったりして判読困難な状態になっていたと推測され、それをどう読んだか…

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