「首相信じたけど何も変わらない」 沖縄・普天間返還、合意25年

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沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場=2021年4月6日、本社機「希望」から
沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場=2021年4月6日、本社機「希望」から

 日米両政府が1996年4月、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の全面返還に合意して12日で25年となる。「5~7年以内」とされた返還だが、県内移設が条件とされ、今も実現していない。市街地にある普天間飛行場の周辺住民は米軍機による騒音や事故に悩まされ、返還への市民の期待は冷めきっている。政府は米中対立を背景に「唯一の解決策」とする名護市辺野古への移設に固執するが、埋め立て予定海域での軟弱地盤発見などで工事は難航し、先行きはなお不透明だ。

1日平均32回の「爆音」

 普天間飛行場のフェンスに隣り合う宜野湾市の上大謝名(うえおおじゃな)さくら公園。4月上旬、芝生を走り回る子供たちの真上を米軍機がごう音を響かせて通り過ぎた。公園は滑走路の延長線上にある。「怖い」。男児は足を止めて空を見上げた。

 約10万人が暮らす市の面積の約24%を占める普天間飛行場。周辺に住宅が密集し、日夜、騒音と事故の危険にさらされている。25年前の返還合意は95年の米兵による少女暴行事件で米軍への怒りが渦巻く中で電撃的に発表された。沖縄の基地負担軽減の目玉とされ、同時に合意した普天間所属の空中給油機15機の米軍岩国基地(山口県)移駐は2014年までに完了。しかし、12~13年には新型輸送機オスプレイ24機が配備され、県によると、現在の常駐機は58機を数える。

 防衛省沖縄防衛局が17年度から実施する目視調査によると、普天間飛行場の離着陸回数は17年度の1万3581回から19年度は1万6850回に増加。20年度(21年2月まで)は1万6883回とさらに増えた。近年は本土などの基地に所属する戦闘機などの「外来機」も頻繁に飛来し、爆音をとどろかせる。外来機の離着陸は17年度の415回から19年度は2776回と大幅に増え、20年度(同)も2321回確認された。

 外来機の飛来や深夜早朝の飛行が続く度に…

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