ウイグル人権問題が飛び火? 中国が綿花「爆買い」のわけ

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新疆綿の不使用方針を示しているスウェーデン衣料品大手H&Mの店舗=北京市内で2021年4月5日午後3時39分、小倉祥徳撮影
新疆綿の不使用方針を示しているスウェーデン衣料品大手H&Mの店舗=北京市内で2021年4月5日午後3時39分、小倉祥徳撮影

 綿花の国際価格が上昇している。指標となるニューヨーク先物市場の価格は、昨年4月の1ポンド=40セント台から、今年2月には90セント台半ばまで急騰した。新型コロナウイルス禍で世界的に景気は低迷しているはずなのに、なぜ? 事情を探ると、欧米諸国の批判を浴びる新疆ウイグル自治区の人権問題も影響しているのだという。一体何が起きているのか、関係者に取材した。【小倉祥徳/中国総局、和田憲二/東京経済部】

中国「爆買い」価格を押し上げ

 まず綿花の値動きから見てみよう。ニューヨーク先物の綿花価格は昨年4月、新型コロナの感染拡大による世界的な需要低迷を受け、約11年ぶりに1ポンド=50セント台を割り込んだ。だが、その後は徐々に上昇局面に転じ、今年2月に2年ぶりとなる90セント台まで値を上げた。現在も70~80セント台で推移しており、完全にコロナ禍前の水準に戻った形となっている。

 押し上げの要因は、昨夏に米国で歴史的な規模のハリケーンが連続して上陸し、綿花産地を直撃したほか、各国の金融緩和であふれたマネーが商品市場に流入したことがある。加えて、中国による「爆買い」である。中国税関総署によると、2020年の綿花輸入量は、8月までほぼ毎月前年同月を下回る水準が続いた。だが、9月に前年同月比152%増に転じると、12月まで同86~182%増と高水準で推移。今年1~2月の累計も前年同期比67%増とハイペースの伸びが続いている。主な輸入元は米国やブラジル、インドだ。

 しかし、そもそも中国は世界全体の綿花生産量の3割近くを占めており、インドに次ぐ世界2位の綿花生産国のはず。中国自身の綿花生産量が落ち込んだわけでもないのに、輸入量がこれだけ急速に増えたのはなぜなのか。

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