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高齢者の接種スタート 感染対策を緩めず、着実に

 高齢者に対する新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。医療従事者以外で初のケースだ。

 関西圏や首都圏などで感染拡大の「第4波」が広がっている。感染対策を緩めることなく、接種を着実に進めたい。

 対象は65歳以上の約3600万人だ。2回の接種が終わるのは8月ごろと見込まれる。

 重症化リスクが高い高齢者にワクチンが行き渡れば、医療現場の負担軽減につながる。

 だが、これだけ大規模な接種は前例がなく、自治体にはノウハウの蓄積がない。

 第1陣の配分は供給量が限られ、集団接種の予約が殺到して電話がつながらない自治体があった。高齢者施設では接種券が届いた人と届いていない人がおり、不公平にならないよう接種が先送りされる例もみられた。

 接種が本格化する5月以降に向けて、滞りなく進められるよう体制を整えなければならない。

 それまでの経験を生かし、集団接種会場での手順や、接種情報登録システムの改善につなげることが重要だ。

 国や都道府県は改善点を洗い出し、対処方法と併せて市区町村に周知してほしい。

 政府は、自治体が余裕を持って準備を進められるよう、ワクチンの供給スケジュールを早い段階で示すべきだ。

 医療従事者の確保も課題だ。接種準備で、薬剤師の協力を得る自治体もある。参考にしてほしい。離島など人手が足りない地域には、医療機関が看護師らを派遣できるよう国の支援が求められる。

 副反応についても丁寧な情報提供が欠かせない。接種部位の腫れや発熱は一定の割合で起きる。高齢者が不安に陥らないような助言が必要だ。

 ワクチン接種は個人の判断に委ねられ、医学的な理由で受けられない人もいる。接種しない人が差別を受けることがないよう、国や自治体が積極的にメッセージを発しなければならない。

 菅義偉政権は、ワクチン接種をコロナ対応の「切り札」と位置付けている。感染対策の最前線に立つ医療機関や、業務が増える自治体の声に耳を傾け、ワクチンの円滑な接種に責任を持つべきだ。

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