米とイスラエルにすきま風 イラン核施設「テロ」、中露にも影響

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イラン中部ナタンツのウラン濃縮施設の遠心分離機=2019年11月5日、イラン原子力庁提供AP
イラン中部ナタンツのウラン濃縮施設の遠心分離機=2019年11月5日、イラン原子力庁提供AP

 イラン中部ナタンツの核関連施設で11日に起きた「テロ」攻撃を受け、イラン核合意の維持に向けた米国とイランの間接協議への影響が懸念されている。トランプ前米政権と蜜月だったイスラエルの関与が取り沙汰されており、核合意復帰に意欲を示すバイデン政権とイスラエルの間にすきま風が吹き始めている。

 「イスラエルを消し去ることができる核兵器をイランが持つことは、絶対に許さない」。イスラエルのネタニヤフ首相は12日、オースティン米国防長官とエルサレムで会談後、記者団にそう強調した。オースティン氏は、米イスラエルの緊密な関係が「中東地域の安定と安全の中核だ」と述べるにとどめ、イランには言及しなかった。

 ナタンツにある核関連施設の電気系統が破壊されたのは前日の11日。イスラエルのメディアは、イスラエルの対外諜報(ちょうほう)機関モサドによるサイバー攻撃の可能性を報じた。米メディアもイスラエルの関与を伝える一方で、米国が事前にイスラエルから連絡を受けていたかどうかは不明としている。

 トランプ前政権が離脱したイラン核合意への復帰を模索するバイデン政権にとっては、イランとの無用な衝突は避けたいのが本音だ。欧州連合(EU)などを仲介役として、核合意に関する米イランの間接協議は6日からウィーンで始まり、次回は14日に予定されている。サキ米大統領報道官は12日の記者会見で「米国はどんな形であれ、(ナタンツの事件に)関与はしていない」と強調。「我々が焦点を当てているのは外交の前進だ。次回の協議に変化があるという兆しはない」とし、協議の継続をイランに呼びかけた。

 一方で、イスラエルは、…

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