最長戦争終結へ、かじを切った米国 アフガン完全撤収、混迷の背景
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バイデン米政権は13日、2001年の米同時多発テロに端を発した「米史上最長の戦争」の終結に向け、大きくかじを切った。テロ発生から20年となる9月11日までにアフガニスタン駐留米軍を完全に引き揚げる。しかし、期限をあらかじめ定めた「条件無し」での撤収は、アフガン情勢をさらに混沌(こんとん)とさせる可能性もある。
米政府高官が米軍の撤収期限を5月1日から9月11日に延ばすと明らかにする直前の13日、トルコ外務省はアフガン政府とタリバンによる和平協議が4月24日~5月4日に最大都市イスタンブールで開催されると発表した。ブリンケン米国務長官が和平に向けトルコへ開催を要請していたのだ。
だが、思惑通りに進むかどうかは見通せない。20年2月にトランプ前政権と結んだ撤収期限の合意をほごにされた形のタリバンは反発。外国部隊が駐留を続ける間は「アフガンに関する決定を下す、いかなる会議にも参加しない」と、トルコでの協議をボイコットする可能性を示唆した。合意に基づき自制してきた米軍に対する攻撃をタリバンが再開する可能性もある。
そもそもアフガン政府とタリバンによる和平プロセスは難航してきた。トランプ前政権との合意には、アフガン政府とタリバンの和平協議開始の前提条件として、アフガン政府が拘束するタリバン捕虜5000人の解放が盛り込まれた。
だが、合意の「蚊帳の外」に置かれたアフガン政府は「トランプ政権はタリバンに譲歩しすぎだ」と不満を募らせ、捕虜解放を遅らせた。結局、中東カタールで和平協議が始まったのは予定から半年遅れの20年9…
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