日米首脳会談 中国巡り、続くギリギリの調整 対決姿勢と「本音」

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菅義偉首相(左)と、バイデン米大統領=AP
菅義偉首相(左)と、バイデン米大統領=AP

 菅義偉首相は16日午後(日本時間17日未明)、バイデン米大統領との初の対面会談に臨む。首相にとっては政権浮揚の好機となるが、米中対立が深まる中、中国が神経をとがらせる台湾海峡情勢の認識について首脳会談でどう打ち出すかなど、難しいかじ取りを迫られる。

 首相は13日の政府・与党連絡会議で、首脳会談について「バイデン大統領と直接会談する最初の外国首脳として迎えられる会談であり、日米同盟のさらなる強化につなげるうえで極めて意義深い」と述べた。バイデン氏と最も早い会談を打診したのは日本側で、外務省幹部は「親密な関係を築いた前政権の『安倍―トランプ』に引き続き、日米の揺るぎない連携を国際社会に示す」と強調する。バイデン政権と密接な関係をアピールし政権浮揚につなげたいとの思惑もあり、首相は「バイデン氏との個人的な関係の構築」を目指している。

 政権がバイデン政権との同盟強化を図るのは、北朝鮮の核・ミサイル問題に加え、沖縄県・尖閣諸島周辺などで海洋進出を強める中国の台頭が念頭にある。

 会談では、中国海警局公船の武器使用を認めた海警法施行をはじめとする東シナ海情勢を協議する。尖閣が米国の日本防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用範囲であることを再確認し、中国をけん制したい考えだ。日本周辺に対する米国の関与を強めることで、緊迫する安全保障環境に対処する狙いがある。

 米側は一方で、台湾有事への警戒を強め緊張が高まる台湾海峡情勢や、新疆ウイグル自治区や香港での人権問題に関心を示している。日本側は米側の意向を踏まえてこうした問題についても首脳会談の議題とする調整に入っている。

 ただ、首脳会談に先立つ3月16日の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で台湾海峡について「平和と安定の重要性」を示し、人権問題に「深刻な懸念」を表明した際、中国は「内政干渉」と反発した。政権は新型コロナウイルスの感染拡大で日本経済が落ち込む中で、最大の貿易相手国・中国との決定的な対決を避けたいのも本音で、首相は「中国は極めて重要な隣国だ」と発言するなど、一定の関係維持に腐心している。こうした問題をどう打ち出すか、日米間の調整は続いている。

 首脳会談ではまた、新型コロナ対策や気候変動問題での連携を示す。加えて、発展途上国…

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