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日米首脳会談でも注目 2030年温室ガス削減目標が重要な理由

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米ワイオミング州の石炭火力発電所。温室効果ガス排出量の多い石炭火力を、2030年に向けてどれだけ減らせるかは世界的な課題だ=AP
米ワイオミング州の石炭火力発電所。温室効果ガス排出量の多い石炭火力を、2030年に向けてどれだけ減らせるかは世界的な課題だ=AP

 16日にワシントンで開かれる日米首脳会談では脱炭素が主要議題になりそうだ。焦点の一つとなるのは、2030年に向けた温室効果ガスの削減目標だ。日米は50年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」の達成を目指しているが、なぜこの先10年の道筋が重要視されるのか。三つのポイントから解説する。【八田浩輔】

①限界に近づく「炭素予算」

 地球温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」は産業革命前からの世界の気温上昇を2度より低く、できれば1・5度に抑えることを目標に掲げ、今世紀後半に二酸化炭素(CO2)の排出量を実質ゼロにすることを定めた。科学的な知見に基づくパリ協定の約束に従い、これまでに日本を含む多くの先進国が50年までにカーボンニュートラルを達成すると宣言した。

 しかし、50年までに排出ゼロを実現した場合でも、現状の削減ペースでは1・5度目標の達成は難しいとみられている。地球の気温上昇とCO2の累積排出量はほぼ比例しており、気温上昇の幅を一定に抑えるために排出できるCO2の量には限りがあるためだ。目標達成のために残された排出可能量は、予算になぞらえて「カーボンバジェット」(炭素予算)とも呼ばれる。

 「予算」は底を突きかけている。世界の科学者が集う国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)によると、現在のペースでCO2の排出が続いた場合、早ければ30年には1・5度の壁を突破してしまう。この先10年の排出量を大幅に抑えるための行動が、気候危機から地球の未来を守るためのカギを握って…

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