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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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「信用できない」 処理水海洋放出決定で憤る漁民ら

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東京電力福島第1原発敷地内に立ち並ぶ汚染処理水などが入ったタンク=2月13日、本社ヘリから手塚耕一郎撮影
東京電力福島第1原発敷地内に立ち並ぶ汚染処理水などが入ったタンク=2月13日、本社ヘリから手塚耕一郎撮影

 政府が13日に決めた東京電力福島第1原発にたまる汚染処理水の海洋放出方針について、福島県内の漁業や水産加工業の関係者らは憤り、風評被害への懸念を募らせている。梶山弘志経済産業相は県漁連の野崎哲会長らと面会し、国の決定に理解を求めたが、野崎氏は反発。漁民の思いを訴えた。

 「結局、国や東電と双方向の話し合いができないまま、海洋放出の決定がゴリ押しで決まった印象だ」。そう訴えるのは請戸(うけど)漁港(同県浪江町)の漁師で、浪江町議の高野武さん(70)だ。「決定する前に、もっと具体的な説明があれば、こちらから逆に対策を提案するなど一緒に建設的な議論ができたはず。これでは、今まで政府がしてきた説明会も一方通行の『ガス抜き』だったことになる。我々の声は本当に届いているのか」と嘆いた。

 漁師一家の3代目。震災前は次男と2人で毎日のように漁に出ていた。「カレイ、ヒラメ、カツオ、マグロ、スズキ……、本当に何でも取れた」。津波で自宅や船は流され、原発事故で一時、県外に避難した。漁師をやめることも考えたが、陸に打ち上げられた船の中に残っていた何十年と積み重ねた漁場や漁獲のデータが気持ちを奮い立たせてくれた。

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