環境漫画40年連載の京大名誉教授 1コマ漫画集第9集を出版

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「ゴミック『廃貴物』」第9集と、最終号を迎えた「環境カレンダー」を手に「漫画を通じ環境と暮らしを考えてほしい」と話す「ハイムーン」さんこと高月紘さん=京都市北区で2021年3月9日午前11時57分、鈴木健太郎撮影 拡大
「ゴミック『廃貴物』」第9集と、最終号を迎えた「環境カレンダー」を手に「漫画を通じ環境と暮らしを考えてほしい」と話す「ハイムーン」さんこと高月紘さん=京都市北区で2021年3月9日午前11時57分、鈴木健太郎撮影

 「ハイムーン」のペンネームで「環境漫画家」として活躍する京都大名誉教授の高月紘さん(79)=京都市北区=が、1コマ漫画集「ゴミック『廃貴物』」第9集を出版した。漫画を40年間連載する環境専門誌「月刊廃棄物」で、2016~20年に連載した100作品を収録。21年分で最後となった「環境カレンダー」(日本環境保護国際交流会発行)のイラストも30年間担当するなど、世界的な環境問題を「笑い」を交えながら提起し続ける。

 高月さんは、廃棄物問題の研究を続けてきた環境問題の第一人者。国の公害等調整委員会の専門委員なども歴任し、国内最大級といわれた香川県豊島の産業廃棄物不法投棄問題を巡っては、現地での調査も担当した。現在は京都市環境保全活動センター「京(みやこ)エコロジーセンター」の館長・理事長を務める。一方、京大生時代は美術部員で、趣味の漫画を自費出版するなどしていた。

 ゴミック「廃貴物」は、自身も編集に関わる「月刊廃棄物」で1982年から連載中。タイトルには、ごみをメインテーマにした漫画(コミック)であることと「ごみをむやみに捨てることは、人間の貴重な宝を廃棄すること」という考えが込められている。連載をまとめた漫画集は86年の第1集以来、4年に1冊程度のペースで出版してきた。

 9集に収録された漫画の連載期間には、米トランプ前政権によるパリ協定離脱や全国の自治体の脱炭素宣言などのほか、京都市でも植物由来のバイオマスポリエチレンを使用した家庭ごみ有料指定袋の採用といった環境に関わる話題が多々あった。高月さんは「地球環境に関わるニュースが目白押しで、読者に訴えるべき内容も多かった」と評する。

 一方、環境カレンダーに関わったのは、日本で暮らす人々の環境保護活動や環境教育を進める同交流会に、1987年の設立時から参加したのがきっかけ。「毎日眺めるカレンダーを啓発グッズに」と92年から作製したカレンダーの表紙と12カ月それぞれの絵を担当した。「循環型社会」「水」など毎年テーマを決め、切り絵、俳句、クイズなど表現手法も工夫。「見る人に届くテーマ、手法を選ぶのは、大変だが楽しかった」と振り返る。

 ゴミック「廃貴物」第9集はカラーA4判全63ページで1650円。高月さんは「漫画を読み、地球環境と私たちの暮らしが今後どう関わっていくべきか考えてほしい」と話す。問い合わせはクリエイト日報(03・3262・3465)。【鈴木健太郎】

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