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大阪の重症者最多261人、病床使用100%超 現場「すでに医療崩壊」

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気管挿管のため、重症化した患者を陰圧装置のある病室に移動させる大阪暁明館病院の職員ら=2021年4月9日(同病院提供) 拡大
気管挿管のため、重症化した患者を陰圧装置のある病室に移動させる大阪暁明館病院の職員ら=2021年4月9日(同病院提供)

 大阪府では15日、新型コロナウイルスの重症者数が前日比22人増の261人と過去最多になった。患者数が重症病床数を上回り、病床使用率が事実上100%を超える状態が続く。患者の急増に病床確保が追いついておらず、軽症・中等症病床を運用する病院では、重症化した患者の転院先が見つからない影響も出ている。現場からは「すでに医療崩壊は始まっている」との訴えが上がる。

 軽症・中等症患者を受け入れている大阪暁明館(ぎょうめいかん)病院(大阪市此花区)。入院中の高齢男性患者が重症化したのは9日のことだ。数日前の入院時からチアノーゼ(血中酸素濃度が低下し、皮膚などがうっ血した状態)の症状があり、酸素吸入をしても血中酸素濃度がなかなか上がらない。患者の受け入れを調整する府の「入院フォローアップセンター」に、重症病床のある病院への転院を依頼したが、転院先が見つかったと連絡があったのは13日。自発呼吸が難しくなった患者のため、気管に管を入れるなど重症者向けの対応を5日間にわたって迫られた。

 患者の受け入れにも影響した。同病院によると、重症患者の治療や看護には軽症・中等症に比べて倍程度の人手がかかる。今回のケースでも重症化した患者の呼吸の管理などのため、日中は4~5人が勤務していた看護師をさらに2~3人増やした。このため9日以降、人員不足で新規のコロナ患者受け入れを断らざるを得なくなった。

増床するも数日で満床の見込み

 同病院では2020年11月から、外科病棟(36床)に軽症・中等症病床を12床確保した。12日以降は17床に増床したが、15日時点で12人が入院し、数日で満床となる見込みだ。府からはさらに4床の確保を依頼され、「即答はできない」状況だという。重症化した患者は昨秋からの「第3波」では4人だったが、3月からの「第4波」ではすでに4人。病院を運営する社会福祉法人「大阪暁明館」の西岡崇浩・法人本部長は「重症化の量とスピードが上がっている。重症患者を転院させられず新規の受け入れができないと、自宅療養中に亡くなる人も出かねない」と危惧する。

 同様の事例は、他の病院でも起きている。府は、重症病床の使用率がおおむね85%を上回った場合、重症病床に転院させず、軽症・中等症病床でそのまま治療を行うよう要請。6日以降、軽症・中等症病床で重症患者を診るようになり、15日時点で35人に増えている。府は同日時点で、実際に確保した重症病床(241床)にいる重症者数(226人)を基に病床使用率を93・8%としているが、この35人を含めると重症者数は261人。患者数が病床数を上回っている。【松本光樹】

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