犀川のほとりで 用水=室生洲々子 /石川

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金沢市中心部に張り巡らされた用水は現在も人々の生活の中に息づいている=金沢市で、内田幸一撮影
金沢市中心部に張り巡らされた用水は現在も人々の生活の中に息づいている=金沢市で、内田幸一撮影

 祖父の作品に、金沢の街並みはよく描かれている。戦災に遭っていないから、街並みがそのまま、今も残っている。作品を読みながら、その場所を探すのも、今の私の楽しみの一つになった。市内には細い道がたくさんあり、方向音痴の私は、道を一本間違えて、よく迷子になる。

 先日、グーグルマップを使って、散策してみた。曲がり角が近くなると、「左方向です」と機械音が流れる。ちょっと気恥ずかしいが、迷わずに目的地の古民家にたどりついた。

 今まであまり、気に留めていなかったが、街のあちこちに用水が流れている。この用水、昔は洗濯をしたり、野菜を洗ったりしながら、ご婦人方が世間話をする、にぎやかな場所であったという。自宅や記念館のそばを流れる用水は、深くて案外と幅が広い。その水で植木に水やりや、除雪した雪を捨てる光景を見かける。風情を楽しむというより、生活に密着しているもののようだ。

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