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砂上の原発防災

原発事故の避難計画は机上の空論になっていないのか、課題を探りました。

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砂上の原発防災

住民は逃げられるか/5止 複合災害、孤立の不安 道路寸断時、避難先示されず

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宮城・牡鹿半島で暮らす甲谷強さん。「原発と地震の複合災害が起きれば道が土砂崩れや津波で寸断され、半島は孤立する」と話した=宮城県石巻市で2021年3月7日、奥山智己撮影
宮城・牡鹿半島で暮らす甲谷強さん。「原発と地震の複合災害が起きれば道が土砂崩れや津波で寸断され、半島は孤立する」と話した=宮城県石巻市で2021年3月7日、奥山智己撮影

 東京電力福島第1原発の事故前、政府は自然災害が原子力災害を引き起こす複合災害の可能性について、ほぼゼロと見ていた。今は複合災害も想定されている。しかし、住民からは「避難の時に通る道路が寸断されるのではないか」という声もあり、懸念は払拭(ふっしょく)されていない。【奥山智己】

 三陸のリアス式海岸が続く宮城県石巻市の牡鹿(おしか)半島に車で行くには市中心部から一本道の県道に入る。半島を一周するように海岸の斜面に沿った道を進むと、市に隣接する女川町との境に建つ東北電力女川原発の前に出る。半島のほとんどの集落は、その一本道から分かれた道沿いにある。

 「福島みたいに地震と原発事故がここで起きたら覚悟しておかないと」。目の前に海が広がる桃浦(もものうら)地区で暮らす漁師の甲谷(こうや)強さん(92)は、不安を隠さなかった。住民の多くは、複合災害を気にかけているという。

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