東海第2原発避難所 収容数過大算定、茨城県が15年には把握か

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毎日新聞が入手した2015年10月の茨城県の内部文書=東京都千代田区で2021年4月7日午後3時27分、三上健太郎撮影 拡大
毎日新聞が入手した2015年10月の茨城県の内部文書=東京都千代田区で2021年4月7日午後3時27分、三上健太郎撮影

 日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の事故に備えた広域避難計画をめぐり、避難所の収容人数の過大算定問題を、茨城県が2015年には把握していた疑いが出てきた。同年の県の内部資料で一部の市の避難所について、トイレや倉庫など避難者の滞在に適さない「非居住スペース」を除外し、収容人数を下方修正していた。さらに16年には別の市が過大算定を県に報告したが、県は18年まで県内全体の再調査を行わず、問題が3年間見過ごされた形だ。

 茨城県は13年、県内の市町村に避難所の面積を照会し、収容人数を算定。18年の県議会で「非居住スペースが算定に一部含まれている」と指摘され、再調査の結果、同年時点で県内8市町・計約1万8000人分の避難所不足を確認した。さらにこの再調査でも過大算定が繰り返され、現時点の避難所不足は2万人を超える。県原子力安全対策課は「18年の県議会の質問と再調査で、初めて問題を把握した」と説明する。

 しかし毎日新聞は15年の茨城県の内部文書を入手。東京電力福島第1、第2両原発の事故に備え、福島からの避難者を受け入れる茨城県が、15年10月に福島県に提供したものだ。

東海第2原発の避難所不足をめぐる経緯 拡大
東海第2原発の避難所不足をめぐる経緯

 この文書によると、茨城県つくば市の避難所の収容人数は約1万5800人。茨城県の13年の調査では、同市の収容人数が過大算定(約3万5000人)されたが、15年の福島県宛ての文書では、避難所の総面積から「非居住スペース」を除外するなどして再計算し、収容人数が半数以下に修正されていた。

 茨城県は18年の再調査の3年前に過大算定を把握していたことになる。県はこの文書について「作成の経緯を把握していない」とコメントした。

 一方、茨城県小美玉市によると、16年9月までに市内の避難所を独自に調べ直したところ、収容人数が約1万8000人から約8800人へ半減することが判明したという。市の担当者は「トイレ、倉庫など(非居住スペース)を除き、現実的に使える面積を精査した。県にも当時メールで報告した」と話す。小美玉市の半減を受けて、県などは17年、東海第2の事故の際の避難者受け入れを増やすよう、別の県内2市に依頼していた。

 県は「メールなどの記録は残っていないが、当時の担当者が小美玉市から連絡を受けていた」と認めた。その時点で全体の再調査を行わなかったことについては「不足分をどこに振り分けるかに関心が向き、原因を深く調べなかった」と釈明した。【日野行介、三上健太郎】

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