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「ほぼ無給でトランプ氏資産減」膨らんだ虚像、不正確投稿拡散招く

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ドナルド・トランプ米大統領=米南部ミシシッピ州トゥーペロで2019年11月1日、古本陽荘撮影
ドナルド・トランプ米大統領=米南部ミシシッピ州トゥーペロで2019年11月1日、古本陽荘撮影

 トランプ前米大統領に関連する疑わしい情報の発信は、本人がホワイトハウスを去った後も続いている。米経済誌のフォーブスは4月6日付で世界の資産家の年次ランキングを発表した。この中でトランプ氏の純資産が、米国大統領に就任後の2017年3月の35億ドル(約3811億円)から、辞任後の21年4月には24億ドル(約2613億円)へと11億ドル減少したとの推定を示した。フォーブス誌の資産家ランキングは日本でもおなじみだが、トランプ氏の資産減少は日本にも予想外の波紋を広げた。【和田浩明/デジタル報道センター】

 この推定は米ニューヨークに拠点を置く多言語メディア「エポック・タイムズ」も7日付で伝えた。この媒体は米NBCが「フェイスブック上で親トランプ広告に半年で150万ドルを投入」と19年8月に報じるなど親トランプ傾向で知られる。

 フォーブスがトランプ氏の資産大幅減少を推定として示すと、作家の西村幸祐氏が12日に、「エポック・タイムズ」の英文記事を引用する形で次のようにツイートした。

 <当然だ。何しろ月給1ドルというほぼ無給で働いたから。億万長者だからできたという人がいるが、大統領退任後に資産が減る大統領など空前絶後だ>

 西村氏のアカウントのフォロワーは約21万人。このツイートは14日までに2400件以上リツイートされ、7300件を超える「いいね」を集めた。

 このツイートには、「すばらしい大統領でした」「本当の愛国心がなければできない」とトランプ氏を称賛するリプライ(返信)が寄せられている。トランプ氏と選挙戦を戦ったクリントン元国務長官や前任者のオバマ元大統領などは「多額の収益を上げた」と主張するリプライもあった。

資産減少額=大統領給与の2750年分

 まず、「ほぼ無給で働いた」という点は、ホワイトハウスの発表や米主要メディアの報道などでも裏付けられる。

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