女子フィギュア界を席巻するロシア勢 日本勢の巻き返しの鍵は?

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フィギュアスケートの世界国別対抗戦の女子ショートプログラムで1位となったアンナ・シェルバコワ=丸善インテックアリーナ大阪で2021年4月15日(代表撮影) 拡大
フィギュアスケートの世界国別対抗戦の女子ショートプログラムで1位となったアンナ・シェルバコワ=丸善インテックアリーナ大阪で2021年4月15日(代表撮影)

 フィギュアスケート女子でロシアの勢いが止まらない。3月の世界選手権では表彰台を独占。15日に行われた世界国別対抗戦(大阪)の女子ショートプログラム(SP)でも、出場した2選手が1、2位につけた。強固なロシアの牙城を崩すため、日本選手は五輪イヤーの来季を見据えた高難度のプログラムを模索する。

国別対抗もSPでワン・ツー

 世界選手権の女子シングルで表彰台を独占したのは、1991年のヤマグチ、ハーディング、ケリガンの米国勢以来、史上2度目の快挙だった。来年2月の北京冬季五輪で、女子では五輪史上初のメダル独占の可能性が取り沙汰されるほど、ロシア勢は層が厚い。

 世界国別対抗戦では、17歳の世界女王アンナ・シェルバコワが自己ベストの81・07点、元世界女王で24歳のエリザベータ・トゥクタミシェワは80・35点をマーク。80点台はロシア勢の2人だけだった。

フィギュアスケートの世界国別対抗戦の女子SPで演技を終え、笑顔で引き揚げるエリザベータ・トゥクタミシェワ=丸善インテックアリーナ大阪で2021年4月15日(代表撮影) 拡大
フィギュアスケートの世界国別対抗戦の女子SPで演技を終え、笑顔で引き揚げるエリザベータ・トゥクタミシェワ=丸善インテックアリーナ大阪で2021年4月15日(代表撮影)

 シェルバコワは、二つ目の3回転フリップの踏み切りが不明確だったとして大きな加点を引き出せなかったものの、全てのジャンプをスムーズに着氷して難なくまとめた。特に得点が1・1倍となる三つ目の連続3回転ジャンプは、ルッツからループという世界でも珍しい構成で高得点。5項目で表現力を評価する演技構成点は出場選手中唯一、全項目で9点台(10点満点)に乗せた。

 「落ち着いて演技することを意識していた。課題はあるが、達成すべきところは達成できた」と満足そうに語ったシェルバコワ。「フィギュアスケートに関心が高い日本で、温かい声援をもらえた」と観客に感謝し、最後は日本語で「ありがとう」と繰り返した。

 「リーザ」の愛称でファンに親しまれるトゥクタミシェワは、冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を着氷するなど、技術点は45・43点。出場選手では、トップで自己ベスト(80・54点)にも肉薄する好内容だった。

女子SPで演技をする紀平梨花=丸善インテックアリーナ大阪で2021年4月15日(代表撮影) 拡大
女子SPで演技をする紀平梨花=丸善インテックアリーナ大阪で2021年4月15日(代表撮影)

 「日本に来ると、日本の匂いを感じることができてうれしい。フリーも自信をもって演じたい。私の演技を気に入ってもらえれば」とトゥクタミシェワ。ネット交流サービス(SNS)では日本語で発信し、背中に「愛」の文字が刻まれた衣装で滑り話題を呼ぶほどの親日家だ。17日のフリーでは和の調べに乗った舞を披露する予定だ。

日本勢も4回転は不可欠か

 フリーではシェルバコワは冒頭に4回転フリップを、トゥクタミシェワは4回転こそないが、2本の3回転半を予定する。対する日本勢は、SP3位の坂本花織(シスメックス)と4位の紀平梨花(トヨタ自動車)が巻き返しを図る。日本のシニア選手で唯一、4回転サルコウと3回転半を成功させている紀平は今大会、腰に痛みを抱えており4回転は回避する見込み。世界選手権で日本勢最上位の6位だった坂本は、3回転の出来栄えで勝負に持ち込みたい考えだ。

女子SPで日本勢トップの3位となった坂本花織=丸善インテックアリーナ大阪で2021年4月15日(代表撮影) 拡大
女子SPで日本勢トップの3位となった坂本花織=丸善インテックアリーナ大阪で2021年4月15日(代表撮影)

 ただし北京五輪を見据えると、やはり4回転ジャンプは不可欠となる。今大会には出場していないが、ロシアには複数の4回転を操るアレクサンドラ・トルソワも控え、ジュニア年代にも有望選手がおり、層の厚さは群を抜く。

 坂本はSP後「4回転は女子でも必須になってきている。ゴールデンウイーク明けから来季への練習ができる。そこからは新しいプログラム、あとは4回転を跳べるように練習していくつもり」と語った。紀平も4回転サルコウに加えて4回転トーループに挑戦する意向を示している。北京五輪まで1年を切り、来季の動向に早くも注目が集まっている。【倉沢仁志】

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