「すべて米国同調ではない」日本、対中国「距離感」に腐心 日米首脳会談

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日米首脳共同記者会見に臨む菅義偉首相(左)とバイデン米大統領=ホワイトハウスで2021年4月16日、AP
日米首脳共同記者会見に臨む菅義偉首相(左)とバイデン米大統領=ホワイトハウスで2021年4月16日、AP

 菅義偉首相とバイデン米大統領による初の日米首脳会談で、両国は緊張が高まる台湾情勢を明記した共同声明をまとめた。安全保障から経済分野まで台頭する中国に対する警戒感がにじむ。

 バイデン氏は会談後の共同記者会見で「日米は中国からの挑戦に力を合わせて立ち向かう」と述べ、「日米はこの地域の強い民主主義国だ」と強調した。首相も「世界の平和と繁栄に対して中国が及ぼす影響について真剣に議論を行った」と歩調を合わせた。

 共同声明では「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」と明記した。3月の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)の共同文書に盛り込まれた「台湾海峡の平和と安定の重要性」を踏襲した。

 米国は香港の統制強化を着々と進めた中国が台湾周辺で軍事的行動を強めたことで危機感を強めている。急速に軍事力を拡大する中国に対し、民主主義国との連携で対抗する姿勢を打ち出した。日米同盟をその中心に据えた形で、声明で台湾に言及することで、日本と一体で台湾情勢に関与する姿勢を鮮明にした。

 日本にとっても、沖縄県・尖閣諸島周辺への進出を強める中国への警戒感は強く、米国との同盟強化は喫緊の課題だった。声明で明記した日米安全保障条約第5条(米国の日本防衛義務)の尖閣への適用は日本の要望によるものだ。その一方で米側が強く求める台湾情勢への関与は応じざるを得なかったのが実情だ。

 だが、日本にとって隣国・中国とは経済面を中心につながりが深まっている。中国が「核心的利益」と位置づける台湾情勢に米国と足並みをそろえて関与を強めれば、中国を強く刺激し大きな影響を受けかねない。政府高官は「米国より中国に距離が近く、経済的な影響も大きい。日本がすべてで米国に同調できるわけではない」と漏らした。

 声明で盛り込まれた「両岸問題の平和的解決を促す」の文言は、05年と11年の2プラス2の「対話を通じた(台湾問題の)平和的解決を促す」の文言がベースだ。過去…

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