悲惨な孤独死の現場 再現ミニチュアが訴えるメッセージとは

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孤独死の現場をミニチュアで再現する小島美羽さんは「ひとごとではない現実だと認識して、何ができるのか考えてほしい」と話す=東京都板橋区で2021年4月6日午後4時31分、生野由佳撮影
孤独死の現場をミニチュアで再現する小島美羽さんは「ひとごとではない現実だと認識して、何ができるのか考えてほしい」と話す=東京都板橋区で2021年4月6日午後4時31分、生野由佳撮影

 1人暮らしで誰にもみとられずに息を引き取る「孤独死」の現場を、ミニチュアで再現し続けている遺品整理人がいる。新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、人間関係は急速に希薄化。その深刻ぶりに慌てた政府は2月、内閣官房に「孤独・孤立対策担当室」を設けた。そんな今だからこそ、社会からの孤立を強いられて亡くなった人たちの最期を見つめ、教訓を学び取りたい。小さな模型を通し、受け取ることができるメッセージとは何か。【生野由佳/デジタル報道センター】

「時が止まった現場」、すでに9作品

 小島美羽さん(28)が勤める「遺品整理クリーンサービス」(東京都板橋区)は、孤独死が起きた部屋の特殊清掃や遺品整理、ごみで埋まった家屋の清掃などを担う。依頼は年間300件以上あり、そのうち6割で孤独死の現場に立つ。

 「私は自分の部屋でひとりで亡くなることを否定したくありません。病院や施設ではなく、住み慣れた自宅で最期まで過ごしたい人が多いと思うからです」と小島さん。問題と捉えているのは、体の異変を誰にも訴えられなかったどころか、亡くなってから数週間~数カ月も気づいてもらえなかった環境だ。

 初めてミニチュアを作ったのは2016年、葬儀や供養など「終活」に関する業界の展覧会に出すためだった。取り上げたのは、孤独死で最も多いモデルだ。1人で暮らす50、60代の男性。部屋には大量のカップ酒や外れた馬券、コンビニ弁当の空き箱が散乱している。その一角に…

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