外木場義郎、3度目の無安打無得点「限界」乗り越えた先の境地
毎日新聞
2021/4/17 19:00(最終更新 4/19 14:43)
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プロ野球史に残る出来事を当事者たちの証言から振り返る「プレーバック プロ野球」。今回は1972年4月29日の巨人戦で外木場義郎投手(広島)が達成した自身3度目の無安打無得点試合。
1972年4月29日 巨人VS広島
80年を超えるプロ野球で、無安打無得点試合を3度達成した投手は2人しかいない。第二次世界大戦の戦火に散った沢村栄治(巨人)と元広島の外木場義郎(75)だ。「真っすぐとカーブだけでようやったな、と思いますよ」。そう笑う外木場が伝説の右腕に並んだのは1972年4月29日、旧広島市民球場での巨人戦だった。
翌年に日本シリーズ9連覇を果たす当時の最強チームを相手に、外木場は真っ向から立ち向かった。自慢の豪速球にカウントを取る遅いカーブと決め球の速いカーブを織り交ぜ、凡打の山を築く。イニング間には捕手の久保祥次から「今日はストレートが速いよ」と声をかけられ、気持ちも乗った。
最大の山場は七回2死。…
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