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プレーバック・プロ野球

プロ野球史に残る数々の出来事を、当事者たちの証言から振り返ります。

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外木場義郎、3度目の無安打無得点「限界」乗り越えた先の境地

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1972年4月、巨人戦で完全試合を含む3度目のノーヒット・ノーランを達成した広島の外木場義郎氏=広島
1972年4月、巨人戦で完全試合を含む3度目のノーヒット・ノーランを達成した広島の外木場義郎氏=広島

 プロ野球史に残る出来事を当事者たちの証言から振り返る「プレーバック プロ野球」。今回は1972年4月29日の巨人戦で外木場義郎投手(広島)が達成した自身3度目の無安打無得点試合。

1972年4月29日 巨人VS広島

 80年を超えるプロ野球で、無安打無得点試合を3度達成した投手は2人しかいない。第二次世界大戦の戦火に散った沢村栄治(巨人)と元広島の外木場義郎(75)だ。「真っすぐとカーブだけでようやったな、と思いますよ」。そう笑う外木場が伝説の右腕に並んだのは1972年4月29日、旧広島市民球場での巨人戦だった。

 翌年に日本シリーズ9連覇を果たす当時の最強チームを相手に、外木場は真っ向から立ち向かった。自慢の豪速球にカウントを取る遅いカーブと決め球の速いカーブを織り交ぜ、凡打の山を築く。イニング間には捕手の久保祥次から「今日はストレートが速いよ」と声をかけられ、気持ちも乗った。

 最大の山場は七回2死。…

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