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支局長からの手紙

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「横丁」の記憶と記録 /広島

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挿絵の原画と現在地の写真が並ぶ展示会場=広島市南区で、宇城昇撮影
挿絵の原画と現在地の写真が並ぶ展示会場=広島市南区で、宇城昇撮影

 いまや想像することしかできない「廣島」の街並みや人々の営み。広島市郷土資料館(南区)で開催中の企画展「福井芳郎とがんす横丁の世界」は、昭和初期の広島の繁華街や路地、世相・風俗をサインペンや筆で描いた絵が並びます。「がんす横丁」はNHK広島放送局のアナウンサーだった薄田太郎氏(1967年に64歳で死去)による随筆で、中国新聞への連載に挿絵を付けたのが画家の福井芳郎氏(74年に62歳で死去)でした。会場に展示されているのは、軍務中に被爆した経験を持ち、原爆の記録画などで知られる福井氏が、失われた街の記憶を思い起こしながら描いた挿絵の原画です。

 5月5日までの会期の途中で入れ替えをしながら、約70点の作品を紹介します。今は平和記念公園になった中島地区、盛り場にあった映画館や遊郭、路面電車が走る通りや川に浮かぶ管絃祭の御供船……。描かれた場所の現在地を撮影した写真が添えてあるのが、今回の企画展のポイントです。企画を担当した学芸員の本田美和子さん(4月から広島城学芸員)は「展示作品は、戦前の写真が残っていない街並みや建物を中心に選びました。…

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