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フジの外資規制違反 なれ合い処理に疑問募る

 フジテレビを傘下に置く認定放送持ち株会社フジ・メディア・ホールディングスが、放送法の外資規制に違反していた。

 規制は、国民の共有財産である電波を外資の影響力から守るためだ。外国人株主の議決権比率を20%未満に抑えることが求められている。違反は認定取り消しの理由になる。

 フジ側によると2012年から14年にかけて、この比率が20%をわずかに超えていた。

 問題は、違反があったにもかかわらず、認定が取り消されなかったことだ。

 フジ側は是正した上で、14年12月に報告したが、総務省は口頭の注意で済ませていた。

 武田良太総務相は、報告の時点では違反状態が解消されていたため、取り消せないと判断したと説明する。1981年に内閣法制局が示した法解釈が根拠だという。

 外資規制を巡っては、東北新社が衛星放送事業の申請時点で違反していたことが判明し、子会社の認定取り消しが決まっている。

 両者の取り扱いの違いに疑問の声が出ている。総務省はフジ側への対応について妥当だったと強調する。だが、これでは違反の報告を遅らせれば処分されないという「隠し得」がまかり通る。

 さらに問題なのは、総務省とフジ側とのやりとりや、口頭注意で済ませた経緯を記した文書が示されていないことだ。

 当時、大臣への報告もなかったことが国会審議で明らかになった。内々で処理しようとしたと疑われても仕方がない。

 フジ側となれ合いはなかったか。総務省は事実関係を速やかに検証し、明らかにする責任がある。

 一連の事実は今月初めまで公表されなかった。フジ側は上場企業として、違反が分かった時点で公表すべきだった。総務省の認識も甘かった。

 武田総務相は、今回の件で法制度の不備や外資規制審査の甘さが明らかになったとして、法改正も検討する考えを示している。

 だが、問われているのは放送行政そのものの透明性だ。総務省には事業者による接待問題でも国民から厳しい目が向けられている。納得できる説明がなければ、信頼は取り戻せない。

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