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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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水俣病患者9団体、処理水放出に反対 「同じ過ち繰り返す」声明

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東京電力福島第1原発の処理水を海に流す政府方針に反対を表明する水俣病患者の長井勇さん(左端)ら=熊本県水俣市で2021年4月19日午後2時3分、西貴晴撮影 拡大
東京電力福島第1原発の処理水を海に流す政府方針に反対を表明する水俣病患者の長井勇さん(左端)ら=熊本県水俣市で2021年4月19日午後2時3分、西貴晴撮影

 東京電力福島第1原発の処理水を海に流す政府方針に対し、熊本、新潟両県の水俣病9団体などでつくる「水俣病被害者・支援者連絡会」は19日、反対声明を発表した。水銀を含む工場排水の海や川への放出が水俣病の原因になったことを踏まえ、「同じ過ちを繰り返そうとしている」と抗議した。

 声明では、政府が放射性物質のトリチウムを含む水を希釈して海洋放出する方針を示していることについて、「希釈しても(トリチウムの)総量が減るわけではない。(食物連鎖によって濃縮する)生物濃縮でメチル水銀が人体に影響を及ぼした事実を私たちは水俣病で経験した。人体への影響が明確になっていない段階での放出は許されない」と訴えた。

 熊本県水俣市であった記者会見で、母親の胎内で水銀被害を受けた胎児性患者の長井勇さん(64)は「水俣病になって苦しかった。(処理水を)海に流すのはやめてほしい」と涙ながらに語った。同じく患者の一人で、水銀の国際管理をうたった水銀条約締約国会議(2019年、スイス・ジュネーブ)で水銀被害根絶を訴えた松永幸一郎さん(57)は「なぜ平気で海に流すのか。日本は世界の見本になっていない。恥ずかしい」と述べた。

 水俣病はチッソ水俣工場が海へ流した工場排水に含まれるメチル水銀によって引き起こされた。1956年に公式に発生が確認されたが、チッソが当初は「八代海への排水に伴い、水銀は海中で希釈される」と安全性を主張したため、原因確定が遅れた。65年には昭和電工鹿瀬工場(新潟県)の排水を原因とする新潟水俣病も確認された。【西貴晴】

【東日本大震災】

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