特集

新型コロナウイルス

新型コロナウイルスのニュース、国内での感染状況を報告します。

特集一覧

まん延防止の適用外でもリバウンド 「都市の感染、地方に波及」

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
国立感染症研究所が分離した新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真=同研究所提供 拡大
国立感染症研究所が分離した新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真=同研究所提供

 新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」を適用していない地域でもリバウンド(感染再拡大)が目立ち始めた。この1カ月で1日当たりの感染者数が過去最多を更新した14府県のうち10県は19日現在、重点措置が未適用だ。東北や四国の地方都市が中心で、変異株が猛威を振るう大阪府や首都圏ほど感染者数は多くない。だが専門家は「医療崩壊につながりかねない」と危機感を示す。

 毎日新聞のまとめでは、東京都などで2回目の緊急事態宣言が解除された3月22日以降、4月19日までの約1カ月間で過去最多を更新したのは青森、宮城、山形、福島、新潟、石川、大阪、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、徳島、愛媛、沖縄の14府県。うち重点措置が適用されたのは宮城、大阪、兵庫、沖縄の4府県にとどまる。愛媛県は19日に重点措置の適用を国に要請する方針を固めた。

 全国的には冬場の「第3波」の際に過去最多を更新したケースが少なくないが、この14府県では当時よりも状況が悪化しているといえそうだ。奈良県では今月9日に96人が確認され、5日連続で過去最多を更新した。福島県では大学の野球部でクラスター(感染者集団)が発生した影響などで今月8日に50人超と過去最多に。和歌山県の過去最多は、今月9、14、18日に相次いで確認された44人だ。16日には新潟、石川の両県でそれぞれ40人と35人に、17日には徳島県で44人に、それぞれ更新された。

独自宣言、時短など要請

 感染状況を示す政府分科会の6指標からも深刻な状況がうかがえる。15日時点で、奈良県は「療養者数」「直近1週間の人口10万人当たりの陽性者数」が最も深刻なステージ4(感染爆発)に。和歌山県もこの二つの指標はステージ3(感染急増)相当だ。また、指標の見直しを経て新たに公表された「入院率」(療養中の感染者のうち入院している人の割合)も、奈良県33%(18日時点)、山形県31%(15日時点)、愛媛県26%(同)といずれもステージ3に相当する。

直近1カ月で新規感染者が最多となった主な県の状況 拡大
直近1カ月で新規感染者が最多となった主な県の状況

 各県はすでに独自の対策に乗り出している。山形県と新潟県はそれぞれ、山形市と新潟市を対象に独自の「緊急事態宣言」や「特別警報」を発令しており、いずれも飲食店の営業時間を午後9時までに短縮するよう求めている。徳島県は県内全域、愛媛県は特定の地域の飲食店に対し、時短を要請している。

 国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生学)は「人の往来が活発化したことで、大都市圏の感染が地方へ波及した」と指摘。「地方ではもともと医療体制が脆弱(ぜいじゃく)な所が多く、クラスターが起きると短期間で病床が逼迫(ひっぱく)する恐れがある。感染者を増やさないためにも、有症状者の受診と検査をすぐに行えるようにすることが大切だ」と提言する。

 その上で「自治体の首長は地元の専門家の意見を踏まえ、地域の実情に合わせた戦略を定めるべきだ。数値目標を定め、住民が納得して協力できるように説明を尽くすことが望ましい」と話す。【内橋寿明、井口慎太郎】

【新型コロナウイルス】

時系列で見る

次に読みたい

あわせて読みたい

注目の特集