医療的ケア児支援法案提出へ 家族と母・野田聖子さんの思い

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息子の真輝(まさき)くんと一緒に過ごす野田さん=野田さん提供
息子の真輝(まさき)くんと一緒に過ごす野田さん=野田さん提供

 たんの吸引や人工呼吸器など日常的に医療的なケアが必要な子ども(医ケア児)やその家族を支援する初の法案が今国会で提出される。5年にわたる議論の集大成で、小さな命を将来につなぐため孤軍奮闘してきた家族にとっては一筋の希望の光にもなりそうだ。医ケア児のいる家族の厳しい現実をリポートするとともに、自らが医ケア児の母親である自民党幹事長代行の野田聖子さんに支援法の意義と母としての思いを聞いた。【賀川智子】

たんの吸引が10分に1回、睡眠が4時間

 提出されるのは「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律案(医療的ケア児支援法案)」で、九州地方に住む公務員、坂口菜月さん(31)も法に期待する医ケア児の母親の一人だ。坂口さんに話を聞くと、医ケア児の家庭、特に母親の負担がいかに大きいかが分かる。

 長女の七海ちゃんは現在1歳1カ月。昨年3月に妊娠30週と1日で、1223グラムの低体重で生まれた。誕生後、病院の新生児集中治療室(NICU)で人工呼吸器による管理をしたが管を抜けず気管切開をし、誕生から半年後の9月末に退院した。

 その後2カ月ほどは10分に1回、現在も20~30分に1回の頻度でたんの吸引をしている。医師からは「声門下腔狭窄(せいもんかくうきょうさく)症」と診断された。そうしたケアで睡眠時間が4時間ほどの時もあったという。

コロナ拡大でさらに増す親の負担

 また、七海ちゃんの誕生はコロナ禍と重なり、ケアの負担はさらに増した。通常は夫婦でできたNICUの七海ちゃんとの面会も母親だけに制限された。「だから、(院内での)夫のケア習得の時間がほとんど取れなかった」。そのため、退院後に夫がケアに慣れるまでほぼ坂口さん1人でケアをした。

 昨年春から夏にかけ、…

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