人民解放軍がサイバー攻撃関与か 中国人書類送検 JAXA標的

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)などへのサイバー攻撃に使われたレンタルサーバーを虚偽の情報で契約したとして、警視庁公安部は20日、中国共産党員で同国営の大手情報通信企業に勤務するシステムエンジニアの30代男性を私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで東京地検に書類送検した。男性は既に帰国している。公安部は、サイバー攻撃に中国人民解放軍が関与したとみて解明を進める。

 送検容疑は2016年9月~17年4月ごろ、虚偽の名前や住所で国内の業者と契約を結び、サーバーの利用に必要なアカウントを取得したとしている。男性は来日時の任意聴取で容疑を認めたという。

 捜査関係者によると、16年6~12月、JAXAなど約200の航空・防衛関連企業や研究機関へのサイバー攻撃があった。システムの脆弱(ぜいじゃく)性を狙ってウイルスを感染させる手法で、機密情報を取得する狙いがあったとみられる。JAXA広報部は取材に「不正アクセスはあったが情報の流出はなかった」としている。

 男性が転売サイトでアカウントを販売したところ、中国のハッカー集団「Tick(ティック)」が入手して攻撃に利用されたという。今回の攻撃で使用されたウイルスが、過去にTickが使用したものと同様の特徴があり、公安部はTickが関与したとみている。Tickは、中国人民解放軍内部で日本や韓国へのサイバー攻撃や通信傍受を担う「61419部隊」とほぼ同じ組織とみられている。男性と人民解放軍は無関係とみられる。

 一方、一連の攻撃では、別の中国人の元留学生の男性が虚偽の情報で利用契約を結んだサーバーが使われていた疑いも浮上しているという。元留学生も既に帰国しているが、中国人民解放軍が複数の人物を介して指示していたとみて調べている。【斎藤文太郎】

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