遷延性意識障害 静岡でも家族会結成に向け準備「寄り添える会に」

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遷延性意識障害のある福田明美さんを車椅子からベッドに移動させる夫の寿之さん(右)=静岡市駿河区で2021年4月19日午前11時59分、山田英之撮影 拡大
遷延性意識障害のある福田明美さんを車椅子からベッドに移動させる夫の寿之さん(右)=静岡市駿河区で2021年4月19日午前11時59分、山田英之撮影

 交通事故や病気で意思疎通が困難になった遷延(せんえん)性意識障害のある人を支える静岡県内の家族が、家族会の結成に向けて準備を進めている。発起人の一人で静岡市駿河区の会社経営、福田寿之さん(55)は「突然、妻が障害を負い、何も分からなかった中で、同じ境遇の人たちの話を聞いて共感し、励まされた。一人で抱え込まないで」と入会を呼びかけている。【山田英之】

 妻の明美さん(51)は2006年3月25日、心臓の病気で心肺停止になり、救急搬送された。寝ている間に心臓が止まった。何が起きたのか分からなかった。

 心臓が止まっていた間、脳に血液が行かなくなり、低酸素脳症になって脳に障害を負った。当時住んでいた横浜市内の病院に入院。複数回の転院を経て、現在は明美さんの実家に近い静岡市内の自宅で、介護やリハビリを受けている。

 愛知県内で入院していた時、全国各地から付き添いで来ていた家族と接した。福田さんは「私は悲壮感を漂わせていたが、みなさん前向きで、にこにこして受け入れてくれた。治療の効果よりも、精神面で効果があった。在宅治療のやり方についても話を聞けた」と振り返る。

 発症した年に「全国遷延性意識障害者・家族の会」にも入った。全国の家族会は04年に発足。支援の充実を目指して国と交渉している。患者や家族の状況に応じた支援を実際に受けるためには、制度を運用する県や市町との交渉が重要になるため、県内でも家族会結成を目指すことになった。

 全国の家族会の17周年記念講演会を11月14日、静岡市葵区のレイアップ御幸町ビルで開催する。講演会を機に県内の会員を募って、まず家族会の準備会を発足させる予定。新型コロナウイルスの感染状況によってはオンラインでの開催も検討する。

 福田さんは「意思の疎通が困難で医療的なケアが必要な人たちが安心して暮らせるように、それぞれの家族の生き方を尊重して寄り添える家族会にしたい」と抱負を語る。

 全国遷延性意識障害者・家族の会の桑山雄次代表は「遷延性意識障害者は全国に5万5000人いると推計されている。同じ悩みを持ち、社会的な支援が必要な人は静岡県内でも多いと思う」と話し、県内の家族会結成に期待している。

 問い合わせは、福田さんのメール(pvs.shizuoka@gmail.com)。

遷延性意識障害

 自力で移動・食べること・意味のある発語などが3カ月以上できなくなった状態。事故による頭部外傷や脳梗塞(こうそく)などが原因になっている。

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