大学入学共通テスト 英語の民間試験導入、実現困難な情勢に

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文部科学省=東京都千代田区で 拡大
文部科学省=東京都千代田区で

 大学入試改革の方向性を議論する文部科学省の有識者会議が20日開かれ、大学入学共通テストで英語民間試験を導入することについて、「課題が解決する見通しがない」などと否定的な意見が大勢を占めた。文科省は会議の議論を踏まえ、今夏をめどに2025年以降の共通テストの出題方式や内容を決める方針だが、記述式問題の導入も否定的な意見が多く、大学入試改革の「二枚看板」の実現は困難な情勢となっている。

 20日の会合では、川嶋太津夫座長代理(大阪大高等教育・入試研究開発センター長)が、「読む」「聞く」「書く」「話す」という英語4技能の育成や評価について、これまでの議論で出た意見を整理した文書を提示した。共通テストでの民間試験の活用に関しては、試験によって会場数、受験料、実施回数などが大きく異なり、公平性の確保が困難▽コロナ禍で検定試験の中止や延期が相次ぎ、検定に依存する仕組みの課題が浮き彫りとなった▽共通テスト本体並みの公平性が求められる中、課題を短期間で解決するのは困難――など否定的な見解を列挙した。この日の議論でも「指摘された課題が解決する見通しがないので(導入には)反対」という意見が出た。

 英語民間試験と記述式問題の導入は当初、大学入試センター試験に代わって今年1月に初めて実施された大学入学共通テストの「二枚看板」となる予定だった。しかし、公平性や採点体制などに課題があるとして高校生や高校教員らから反対の声が高まり、文科省は本番の約1年前に延期を決定した。高校では22年度に新学習指導要領が実施され、それに基づく授業を受ける現在の中学3年生が受験する25年以降の共通テストに向け、導入の可能性を改めて検討している。【大久保昂】

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