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追い込まれ「最後のカード」 緊急事態宣言3回目 大阪に発令へ

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緊急事態宣言を政府に要請する考えを表明した吉村洋文・大阪府知事=府庁で2021年4月19日午前11時39分、鶴見泰寿撮影
緊急事態宣言を政府に要請する考えを表明した吉村洋文・大阪府知事=府庁で2021年4月19日午前11時39分、鶴見泰寿撮影

 新型コロナウイルスの感染急増が続く大阪府などを対象に、政府が3回目の緊急事態宣言を発令する準備に入った。大阪を含めた10都府県に適用した「まん延防止等重点措置」で感染再拡大を止められず、追い込まれた末に「最後のカード」を切る。野党は「コロナ対策の失敗だ」との批判を強めている。

政府、五輪への影響懸念 短期間を模索

 「大阪の状況には、非常に強い緊張感を持っている。全国的にも感染が広がっており、強い危機感で対応している」。西村康稔経済再生担当相は20日の記者会見で強調した。緊急事態宣言の発令要件である「全国的かつ急速なまん延のおそれ」を満たしていることを示唆した形だ。

 政府は、飲食店などに営業時間短縮要請・命令ができる「まん延防止等重点措置」を活用し、感染抑止を図る戦略を描いた。「休業要請・命令」など強い対策がとれる宣言発令による経済へのダメージを懸念したためだ。2020年4~5月の宣言の際は、同年4~6月期の国内総生産(GDP、季節調整値)改定値が年率換算で前期比28・1%減と戦後最悪に落ち込んだ。

 菅義偉首相も3回目の宣言発令に慎重だったとみられる。米国訪問から帰国途中の18日、政府専用機内で「まん延防止等重点措置の効果がまだ見えていないんだよな」と漏らした。

 首相は15日の訪米前から「重点措置の効果が表れるのは2週間後」と繰り返していた。だが、大阪の新規感染者数は適用(5日)からほぼ2週間となる18日に過去最多の1219人に達し、翌19日は月曜としては過去最多となり、吉村洋文知事が宣言要請を表明した。政府内には、1月に東京都の小池百合子知事らに迫られて宣言を出し「後手に回った」と批判を浴びた苦い記憶が残っており、発令はやむを得ないと判断した。自民党幹部は「知事側から言われてぐずぐずしたら、感染拡大の責任を負わされかねない」と指摘する。

 政権は東京オリンピック・パラリンピック開催へ悪影響が及ばないよう、極力短期間にとどめたい考えだ。政府分科会の専門家も、1~3月の2回目の宣言の際は終盤に「自粛疲れ」が指摘されたことから「今回はゴールを決めて、短く強い措置をとるべきだ」と提言している。首相は20日、宣言が五輪開催に与える影響について「ないと思っている。安全安心の大会になるように政府として全力を挙げたい」と述べた。党幹部は「5月末までに宣言を解除すれば五輪開催に問題はない」と強調した。

 ただ、首相は2回目の宣言解除の際「何としてもリバウンド(再拡大)は防ぎたい」と語った経緯がある。それゆえ3回目の発令に追い込まれたことで「失策」との批判が強まるのは確実だ。立憲民主党の枝野幸男代表は20日の党会合で「(3月には)中途半端な状況で宣言を解除すればすぐにリバウンドすると明確に反対の意思を示していた。これ以上の失敗を繰り返してはならない」と批判した。

 こうした状況の中、政権内には吉村氏らへの不満が募っている。…

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