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山口香さん「開会式イメージできない」 五輪3カ月前に思うこと

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国立競技場の前で東京オリンピック・パラリンピックについて語る日本オリンピック委員会理事の山口香さん=東京都新宿区で2021年4月14日、宮間俊樹撮影
国立競技場の前で東京オリンピック・パラリンピックについて語る日本オリンピック委員会理事の山口香さん=東京都新宿区で2021年4月14日、宮間俊樹撮影

 今年の夏、東京オリンピック・パラリンピックは開催できるのだろうか。新型コロナウイルスの変異株が猛威を振るい、開催に向けて黄色信号はともったままだ。答えを求めてスポーツ界の論客に疑問をぶつけた。

 五輪開幕100日前を迎えた14日、メイン会場の国立競技場(東京都新宿区)前で待ち合わせた。昨年3月の大会延期、今年3月の海外観客の受け入れ断念のいずれも正式決定の前から提言してきた日本オリンピック委員会(JOC)理事の山口香さん(56)だ。

 あいにくの雨模様とあって天気に例えて五輪開催の見通しを聞くと、こう返ってきた。「嵐ではないですが、どんよりしています。この後大雨になるのか、少なくとも雨は降ってきそうです」。目の前の空がまさにそんな感じだった。さらに続けた。「五輪がトンネルの先の光となるような空気はなさそうです。7月23日の開会式のイメージですか? 浮かびませんね」

 今後、判断を迫られるのが観客の取り扱いだ。政府や大会組織委員会、東京都は収容人数の50%を軸に調整を続けるが、先が見通せず議論は進んでいない。「事態は刻々と変化していて、変異株の広がりを考えたら、今では国内移動もリスク。無観客にすれば、警備やボランティアも減らせる。開催するならそのくらいの覚悟が必要かもしれません」

 山口さんはリーダー不在の状況を嘆く。組織委の森喜朗会長が2月に女性蔑視発言で引責辞任し、五輪招致の「顔」だった4人が姿を消した。森氏のほか、2013年9月の招致決定当時、首相だった安倍晋三氏、都知事だった猪瀬直樹氏、JOC会長だった竹田恒和氏はいずれも不本意な形で表舞台から去った。

 山口氏が思い起こすのが、15年7月の国立競技場の建設計画の「白紙撤回」だ。事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)や所管の文部科学省の見通しが甘く、建設費は高騰し、世論の猛反発を浴びた。当時首相だった安倍氏は「このままでは祝福される大会にするのは困難」としてゼロからの見直しをせざるを得なくなった。

 「安倍さんに批判はあったが、国立競技場でぐちゃぐちゃしていた時に『白紙に戻す』と言った。これがリーダーの決断。いまは司令塔がはっきりしない。このまま、ぐだぐだな感じで進んでいくのではという空気が国民を不安にします。ワクチン接種も進まず、国内外に向けて安全に開催できると説明する根拠を示すことができない。頑張っているというだけではね」とため息交じりで語る。

 森氏のワンマンぶりが目立った以前の体制も問題…

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