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やまと・民俗への招待

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やまと・民俗への招待

製茶の原点 たたき番茶 /奈良

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 3月25日、奈良市田原公民館の主催で「田原たたき番茶作り」という体験講座が開催された。会場は茗荷の岡井稲郎さんの仕事場で、同氏が講師となって自家製の番茶作りを公開した。参加者に交じってその様子を見学できた。

 コロナ流行下で密にならないよう十分な注意をとの説明の後、講座は始まった。お茶は新茶が香り高く喜ばれるが、岡井氏の祖母は、「新茶飲むより、番茶飲め」と言っていたという。五月のショウチャ(初茶)から、二番茶、三番茶と何度も茶摘みをし、その間に取るのがバンチャ(番茶)であるが、たたき番茶は11月から12月に、十分に成長した茶葉を枝ごと刈り取って用いる。

 まず茶葉を枝ごと大釜で煮る。香りを確かめながら、茶葉の緑が薄らいで黄みがかる頃、湯から引きあげる。この加減が難しいと岡井さんは語る。束ねて枝ごと煮た茶葉は、室内で陰干しにする。屋外で干すとヒナタ臭くなるという。こうして乾燥した茶の枝が準備されている。これを米袋に入れ、筵(むしろ)で包んで、上から木づちでたたく。たたくと枝から葉が分離する。袋から出して枝を取り除き、茶葉を手でもんで小さくする。残っ…

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