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大阪府が緊急事態要請 政府は一日も早く発令を

 新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、大阪府が緊急事態宣言の再々発令を政府に要請することを決めた。

 「まん延防止等重点措置」を適用して2週間たったが、十分な効果がみられていない。大阪府の吉村洋文知事は「医療が極めて逼迫(ひっぱく)している」と指摘し、より強い措置の必要性を訴えた。

 1日当たりの新規感染者数は連日のように1000人を超え、減少の兆しは見えていない。重症患者の急増に病床の確保が追いつかず、医療崩壊が始まっているとの指摘もある。政府は専門家の意見を踏まえ、速やかに宣言を発令すべきだ。

 大阪府では、前回の宣言が2月末に前倒しで解除された。感染力の強い変異株の広がりと歓送迎会の時期が重なり、感染は約1カ月で再拡大した。

 喫緊の課題は医療体制の強化だ。不足している医療従事者の手当てが急がれる。災害時と同様に全国から医療従事者を派遣する体制を整えるなど、政府主導で支えるべきだ。

 政府が宣言を出せば、休業要請や命令が可能になる。吉村知事は百貨店やテーマパークなどの集客施設を対象として示した。

 これまでは飲食店への営業時間短縮要請にとどめていたが、一歩踏み込んだ権利の制限になる。実行に移すなら、政府と大阪府は必要性を丁寧に説明し、協力を得る努力を尽くさなければならない。事業者への経済的な支援も欠かせない。

 対象を大阪府に限れば、効果が十分に上がらない可能性がある。前回は、隣接する兵庫県と京都府にも同時に宣言を発令した。生活圏を一体とした対策が必要ではないか。

 政府は感染の再拡大を、まん延防止措置で抑え込もうとしたが適切に機能しなかった。政府内には、宣言を出さないための措置だという考え方もあったという。今後の検証が必要だ。

 まん延防止下の東京都でも新規感染者数は増加している。小池百合子知事は、宣言を要請する方針を固めた。

 政府は大阪での教訓を生かし、都と連携して先手の対策を講じるべきだ。

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