仏ENA廃止 大改革か愚民政策か 格差是正、実効性見通せず

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マクロン仏大統領=AP
マクロン仏大統領=AP

 「ドゴール以来の大改革」か、「愚民政策」か。フランスのマクロン大統領が8日に表明したエリート官僚養成校「国立行政学院」(ENA=エナ)の廃止が仏国内で波紋を広げている。格差拡大に異を唱えた反政権デモ「黄色いベスト運動」に政権が応えたものだが、廃止で「エリート批判」はかわせるのだろうか。

 「フランスを徹底的に改革するための出発点だ」。ルメール経済・財務相は9日のラジオ番組で廃止の意義を強調した。マクロン政権はENAを廃止したうえで、2022年1月に司法や公衆衛生などの上級公務員を育成するためのグランゼコール(高等教育専門機関)を統合し、「公務学院」(ISP)を新たに開設する計画だ。

 ENAを巡っては、学生の多様性に欠けるという批判が長年、くすぶっていた。ENAの合格者の大半は、パリ政治学院などの難関グランゼコールの卒業者で、18歳で高校を卒業した後、ENAにたどり着くには、長期間にわたり受験勉強を続けられる経済力が必要となる。ENAによると在校生の奨学金受給者は2割。15年の別の調査では、学生の親の職業はフランスの職業区分で管理職などが7割を占め、中級職・職人・工員などが3…

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