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東京電力福島第1原発の処理水の処分に当たり、政府・東電はこれまで「関係者の理解なしに、いかなる処分も行わない」と地元住民らに説明してきた。政府は4月、約2年後の海洋放出の方針を決めたが、この「約束」には触れていなかった。政府・東電は「関係者の理解が大前提」というが、理解を得る道筋は見えてこない。地元との約束はどこへ――。【岡田英/科学環境部、寺町六花/福島支局】
「関係者の理解なしに、いかなる処分も行わない」
2015年1月、福島市内で開かれた政府・東電と地元の市町村長らとの会合だった。福島県漁業協同組合連合会の野崎哲会長が、福島第1原発のタンクの水に含まれる放射性物質の濃度を下げてから海に流す可能性について聞くと、経済産業省の幹部は「関係者の理解を得ることなくして、いかなる処分も考えておりません」と言い切った。
その後、東電も同様の説明をするようになり、野崎会長に宛てた同年8月25日付の文書にも記されていた。こうして、地元の理解なしに処分をしないという認識が広がり、福島の住民と政府・東電との約束になっていった。
処分方法が決まらず手詰まり感が漂っていたが、政府は海洋放出に向けて菅義偉首相が全国漁業協同組合連合会トップらと面会することで、状況を打開しようとした。そして、今年4月13日に約2年後の海洋放出を決めた。ただし、政府の方針の中でこの約束に関する記述はなかった。
このため、13日の梶山弘志経産相の記者会見で、記者(岡田)は地元との約束はどうなるのかと質問した。すると、梶山氏の隣にいた経産省職員がメモ用紙をすっと梶山氏に手渡した。「地元の理解を…
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