牛の分娩 AIで検知 北里大と民間が開発 南九州3県で先行販売

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牛の分娩検知システム「牛わか」(左)。スマートフォンなどで牛の状況をリアルタイムで把握できる=宮崎市で、杣谷健太撮影 拡大
牛の分娩検知システム「牛わか」(左)。スマートフォンなどで牛の状況をリアルタイムで把握できる=宮崎市で、杣谷健太撮影

 カメラで分娩(ぶんべん)予定の牛を監視し、画像認識AI技術で分娩兆候を知らせるシステムができた。7月1日から宮崎、鹿児島、熊本で先行販売され、畜産農家の負担軽減が期待される。システムに携わった北里大獣医学部動物飼育管理学研究室(青森県十和田市)の鍋西久准教授は「まず畜産が盛んな3県で周知を図りたい」と話している。【杣谷健太】

 システムは同大と製造業「ノーリツプレシジョン」(和歌山市)が開発し、「牛わか」と命名した。

 出生時の事故防止には分娩時の適切な介助が必要だが、妊娠期間には大きな個体差があり、畜産農家は昼夜問わず監視する必要があった。牛の体内外にセンサーを装着し、兆候を捉える技術が普及しているが、衛生上の問題や牛に対する負担が課題だった。そこで鍋西准教授が2015年ごろ、牛に触れずに兆候を把握できる研究に着手。約2年かけてノーリツプレシジョンと製品化を進めた。

 「牛わか」は、分娩房内のカメラで牛を監視し、移動距離の増加や立ったり座ったりすることが多くなる分娩前の行動変化を解析、農家へメールで通知するシステム。カメラは熱検知式で夜でも照明なしで行動解析でき、自身のスマートフォンなどで確認できる。流通業向けシステム開発「ひむか流通ネットワーク」(宮崎市)が宮崎県内3施設で実証実験するなど、全国7施設で100の分娩データをAIに学ばせ、現精度は約90%。データが増えれば向上する。

 肉用牛飼養頭数(19年2月1日)は鹿児島が全国2位(33万8100頭)、宮崎3位(25万300頭)、熊本4位(12万5300頭)。3県の「牛わか」導入促進に向け、ひむか流通ネットワークが現地農家を世話する。

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