原始的隕石から液体の「水」 立命大など発見「太陽系の謎迫る」

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原始的な隕石(いんせき)に含まれる方解石の透過型電子顕微鏡画像。ナノメートル単位の包有物(左の写真の矢印の先)があり、その中にマイナス100度で見えた斑点(右の写真の矢印の先)が水の存在を示しているという=土山明教授提供 拡大
原始的な隕石(いんせき)に含まれる方解石の透過型電子顕微鏡画像。ナノメートル単位の包有物(左の写真の矢印の先)があり、その中にマイナス100度で見えた斑点(右の写真の矢印の先)が水の存在を示しているという=土山明教授提供

 隕石(いんせき)中に閉じ込められた二酸化炭素(CO2)を豊富に含む液体としての水を発見したと、立命館大や米航空宇宙局(NASA)などのチームが発表した。原始的な隕石に含水鉱物があることは知られてきたが、水酸基(OH)や水分子として存在していた。今回の水は46億年前の太陽系形成時のCO2を含む氷に由来すると考えられ、「太陽系がどのようにできたかの謎に迫る発見」としている。

 論文は22日、米科学誌サイエンス・アドバンシズに掲載された。

 立命館大の土山明教授(鉱物学・惑星科学)らの研究チームは、2012年に米カリフォルニア州に落下した「炭素質コンドライト」と呼ばれる原始的隕石を、大型放射光施設「スプリング8」で分析。隕石に含まれる方解石という鉱物中にナノメートル単位(ナノは10億分の1)のごく小さな包有物を特定した。それをマイナス100度にして電子顕微鏡で観察したところ、氷の結晶が閉じ込められており、更にCO2を15%以上含むことも発見した。

 研究チームによると、原始的隕石からの液体としての水は「世界で初めての発見」とし、組成の異なる一般的な隕石を含めても「液体としての水の発見は極めて珍しい」としている。

 地球を含む太陽系の形成過程は、近年の研究によって、木星が初期に一度太陽に近づいた後、再び離れて現在の軌道に落ち着いたとする仮説が有力視されている。今回の隕石は火星と木星の間にある小惑星帯が起源と考えられるため、土山教授は「太陽系の形成時に誕生した小天体が、その後の木星の軌道変化に伴って移動したことを示している。新しい太陽系形成モデルの物質科学的な証拠になる」と意義を説明する。【千葉紀和】

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